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建設新聞社
2024/03/07

【東北・宮城】富谷市が新公共交通システ調査概要を説明

 富谷市は5日に開いた総合交通検討委員会で、新たな都市交通システムとして導入検討を進める燃料電池バス、電動バスが走行する専用地下道の整備について、導入可能性調査の概要を説明した。昨年度行った地下鉄整備の導入可能性調査と比較するとコストは下がるものの、事業費は85億円から208億円と試算している。
 仙台市地下鉄南北線泉中央駅から富谷市明石台地区まで約3・4`b区間に、新たな公共交通機能の導入を検討している。2020年3月に策定した富谷市都市・地域総合交通戦略(基本計画)では、地下鉄整備もしくはガイドウェイ・トランジットの整備を想定。しかしガイドウェイ・トランジットは導入に課題が多いことから、BRT(バス高速輸送システム)に方向性を切り替えた。35年に建設工事を開始し、40年の導入を目指す。
 昨年度は地下鉄の導入可能性調査を行い、約354億円から約451億円の事業費を想定。収支の黒字転換についても一定の見通しが立つ結果となった。
 今年度はBRTについて検討を進めた。地下道の想定口径φ7000_b(車道は3b、路肩は両側0・5bの計4b)の単線とする。80人乗りのバス3台が隊列を組んで輸送する。
 ルートは地下鉄と比較できるよう、駅の設置を想定する明石台地区から泉中央駅までの区間とする。ルート案は2つあり、泉中央駅の近くまで地下道を伸ばしてダイレクトにバスターミナルに乗り入れるAルート3・8`bと、泉区役所から地上に出るBルート4・3`bで比較した。
 Aルートは事業費193億〜208億円、所要時間は片道10分。BルートはAより地下区間が短い分事業費が安くなり85億〜103億円、所要時間は長くなり11〜12分とした。事業費が黒字となるのは、Aが開業後最短30年、Bが同13年を見込む。
 地下鉄と比較すると、所要時間は地下鉄が5〜6分なので多少長くなるが、現行の路線バスよりは約5分短縮する。事業費はBRTにすると約41〜76l削減される。
 24年度はこの結果をもとに仙台市と協議を進め、課題について精査する。

 提供:建設新聞社