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建通新聞社(東京)
2024/03/06

【東京】都 粒子線治療施設の整備手法、PFI除外

 東京都は、駒込病院(文京区)の敷地内に整備するがんの粒子線治療施設について、設計・施工の分離発注方式またはデザイン・ビルド(DB)方式のいずれかを選ぶ見通しだ。2023年12月に整備計画素案を公表した際はPFI方式も選択肢に入れていたが、除外するもよう。24年度以降の業務委託や工事発注に伴う実務などは都立病院機構が担当。都の24年度当初予算に計上する1億円の交付金を元手に基本設計をスタートさせる。
 都内には現在、粒子線治療施設を持つ医療機関がない。大型な設備を設置するスペースの確保や、施設の整備・運営に多大のコストを要するといった参入障壁があるためだ。ただ、体への負担が比較的少なく、仕事や日常生活との両立が可能な治療法であることなどを踏まえ、患者の希望に応じた医療を提供できるよう、都立病院への粒子線治療施設の導入を決めた。粒子線治療には陽子線または重粒子線があるうち、陽子線を採用する。
 保健医療局が「都立病院粒子線治療施設整備計画」の素案で駒込病院を整備場所に選定するとともに、整備方式ごとの想定スケジュールを示した。それによると、分離発注の場合は24年度の基本設計や25年度の実施設計を経て、26年度の着工、31年度の運用開始を目指す。
 一方、DB方式では24年度に基本設計、25年度に実施設計と準備工事を進め、26〜30年度に本体工事を行って30年度内に運用を始める。
《江戸川病院Gも陽子線施設整備》
 都内では、江戸川病院グループ(社会福祉法人仁生社、江戸川区)が江戸川メディケア病院に陽子線治療センターを開設する構想を打ち出している。
 医療機器スタートアップのビードットメディカル(江戸川区)が開発した「超小型陽子線がん治療装置」の初号機を導入する計画。22年12月に2者間で基本合意書を結んだ。
 ビードットメディカルの装置は従来に比べて小型で、導入コストも抑えられる点が特徴。江戸川病院グループの担当者によると、「一般的な設備ではサッカーグラウンド程度の建築面積が必要なところ、テニスコート半面程度で整備が可能になる」という。
 江戸川メディケア病院の所在地は江戸川区東松本2ノ14ノ12。駐車場の敷地を活用し、地下1階地上3階建て(うち地上1フロアは別用途で利用)の施設を建てる方針だ。現在は設計を進めており、26年度内の開設を目指してスケジュールなどを調整中だという。提供:建通新聞社