建通新聞社(中部)
2024/03/01
【三重】県建設産業活性化プラン最終案を策定
三重県建設産業活性化プラン検討会議は2月22日、4回目の会議を開き、次期活性化プラン最終案(2024〜27年度)について話し合った。目標達成に向けて、改めて市町や民間との周知・連携が重要との認識を共有した。
委員からは、利益率を上昇させるための入札制度改善に期待する声や、週休2日を拡大させていく上で、市町や民間での導入が進まないと難しいといった意見が出た。県は落札率が低い現状に対応するため、入札制度を改善していくとし、週休2日を普及させるためにも丁寧な説明をしていく旨を回答した。
今回、大きな変更点として、進捗管理の指標である売上高経常利益率の27年度目標に6%を据え、当初計画していた5・2%から上方修正した。上方修正した理由として、産業全体の21年度速報値は6・9%となった一方で、三重県の建設業は4・8%(現状値)と低い状況にあることが挙げられた。
大幅な修正を加えた根拠の一つに18〜22年度の5年間で約1%の改善が見られたことから、同様の上昇率とした。しかし、24年度以降も労務費や資材単価の上昇、時間外労働時間規制などの影響で不透明な状況となることが予想でき、一層の対応策が求められる。
最終案では、前回の検討会議で出た意見を基に、新たな取り組みの視点を追加。担い手確保では、学校訪問する場合は生徒の進路決定時期を把握することが重要とした。交流会を開催する場合についても触れ、しっかりとした計画を立てることの必要性を記述した。出前授業などの開催については、工学系のみならず教育学部のある大学などもターゲットに含めることや、建設業を通じた科学的な学びとなる授業への提案を盛り込んだ。
生産性向上では、DX導入支援による効果が出るまで時間が掛かることから継続して取り組みを行う必要があるとした。
次期活性化プランの方針は@担い手の確保A労働環境の改善B生産性の向上―の三つに加えて、継続方針である企業の安定経営に向けた対応で構成。取り組み施策として担い手確保では教育機関・建設業界・行政の連携、生徒・学生への魅力発信・動機付け、U・Iターン人材などへの働きかけを掲げる。
労働環境の改善では、週休2日制の定着、施工監理の分業化・効率化、安全で快適な労働環境の実現、人材育成・福利厚生とし、生産性の向上では、建設DXの導入、建設DXの活用、建設DXの持続的な推進を挙げる。これらの下、取り組み指標に高卒就業者数の建設業の割合(22年度現状値5・9%、27年度目標値7%)、年間総実労働時間(同1885時間、同1800時間)、Aランク建設企業のASP活用率(同4%、同100%)、売上高経常利益率(同4・8%、同6%)設定した。
提供:建通新聞社