3月5日開催の京都市美観風致審議会景観専門小委員会において、(仮称)旧九条山浄水場跡地宿泊施設計画が事前協議される。
旧九条山浄水場跡地を巡っては、京都市上下水道局が活用事業者を公募型プロポーザル方式により、令和3年8月に葛ュ羅花壇(本社・東京都港区)に決定した。
神奈川県箱根町で旅館「強羅花壇」等を運営する同社の提案内容は、○洗練された運営に基づく豊かな「空間」を創出する宿泊施設(▽客室構成約1万1000uの広大な敷地に32室のみの客室構成▽室内設備は全客室に京都市街を一望できる屋外展望テラス、展望露天風呂等▽館内施設はプール、フィットネスジム、エステサロン、温泉大浴場等)◯日本の伝統文化「和」を伝承(▽建物共用部の内装及びインテリアには京指物、京表具、西陣織をはじめとする京の染色を用いた壁紙、京都の伝統産業品である京銘竹や和紙を採用)◯歴史と文化の体現(▽旧御所水道関連施設である「沈でん池」2基をそれぞれレセプションロビー及びプールとして保存活用▽「着水井」はアクセス階段及び眺望テラスとして保存活用)◯周辺の自然景観との調和(▽建物外観は緩やかな勾配をもつ寄棟屋根の連続を東山の景観になじむように、また施設の顔となるエントランスゲートには切妻屋根と面格子をもつ「門」をランドマークになるように配し、シルエットが岡崎地区の文化的景観と一体となる構成▽建物は斜面地になじませた配置とし、全ての客室から京都盆地の眺望を確保しながらも、建物の高さを低く抑え、周辺の建物の眺望を妨げないように配慮)。
その後、旧九条山浄水場跡地とその隣接地について、強羅花壇が設立した旧九条山浄水場跡地活用特定目的会社と市が19億1417万6271円で令和4年2月22日に売買契約を締結した。契約金額19億1417万6271円の内訳は、公募対象地の山科区日ノ岡夷谷町17−66、山科区日ノ岡一切経谷町32、東山区三条通白川橋東入9丁目東小物座町附属722、724、724−1、東山区三条通白川橋東入十丁目東小物座町附属725−2ほかの敷地1万1139・46uが金額15億円、公募対象地と同じ単価で購入した隣接地の山科区日ノ岡夷谷町17−221ほかの敷地3075・81uが金額4億1417万6271円。
令和4年3月に公表した内容によると、令和8年春の開業を予定。
旧九条山浄水場跡地活用特定目的会社による(仮称)旧九条山浄水場跡地宿泊施設計画については、フジタ(東京都渋谷区)が参画している。