成田市は、成田富里いずみ清掃工場から発生する熱エネルギーを利用した付帯施設(余熱利用施設)の整備手法ついて、BTO方式を選定した。従来方式やDB方式と比べ、民間ノウハウの導入に優れている点などを評価したもの。2024年度に実施方針および要求水準書を作成し、25年度に総合評価方式一般競争入札を公告する方針だ。26〜27年度に温泉利用の許可申請と掘削工事を行うとともに、施設の実施設計をまとめ、27〜29年度に施設の建設工事を行い、29年度の供用開始を目指す。
24年度当初予算案で、PFIアドバイザリー業務やアクセス道路・造成工事実施設計などを含む委託料3065万4000円を計上するとともに、PFIアドバイザリー業務委託に25年度を期間とする限度額2692万8000円の債務負担行為を設定。また、造成工事に総額13億4920万6000円の3か年継続費を設定。年割額は、24年度1億3492万1000円、25年度8億952万3000円、26年度4億476万2000円。
PFIアドバイザリー業務は、24年度早々に公告する公募型プロポーザルにより、委託先事業者を選定する。また、24年度下半期に造成工事の一般競争入札を公告する予定だ。
そのほかの工事については、24年度に道路、26年度に高温水管布設、26〜27年度にインフラ(ガス・電気)整備、29年度に舗装を実施する。
付帯施設は、成田富里いずみ清掃工場の北東側に整備する計画。事業面積は約5万5000u。
建物は、RC造一部S造2階建て、延べ床面積4950uの想定。1階に25m×8レーンのプール、温浴施設、共用スペース、運営・管理の諸室など、2階にトレーニングジムやスタジオなどを配置する。
23年9月に公表した「新清掃工場関連付帯施設整備事業について」では、施設整備のコンセプトとして▽市民の健康増進のきっかけ▽地域活性化の拠点▽地域環境に配慮し地域の自然と共生▽安心・安全――を掲げた。
施設の魅力向上に伴う集客力の確保を図るため、施設内における運動後のリフレッシュおよび健康の回復・増進を目的に、温浴施設を整備する。
また、敷地の北側に最大貯留容量約9400m3の調整池、北東側に臨時駐車場約89台に転用可能な多目的広場約1750u、東側に駐車場138台や里山管理倉庫などを設置する。
環境への配慮について、大空間やボイラーなど給湯設備を要するプール・温浴施設を整備することを踏まえ、「ZEB Ready」の取得を目指す。
富里市と共同で12月10月に開設した成田富里いずみ清掃工場は、小泉344―1の敷地面積3万5964uに所在。建物は、RC造・SRC造・S造4階建て、延べ床面積1万12u。処理能力は212t/日。処理方式はガス化溶融炉(シャフト式)。
12年1月に付帯施設の実施設計をまとめており、施設整備の手続きに入る予定だったが、事業用地の一部で取得の合意に至らなかったため、19年12月に、取得済みの事業用地内で整備を行う方針に転換した。
基本計画および基本設計業務を桂設計、測量業務を佐藤測量、道路および用地造成に関わる地質調査を東洋コンサルタントが担った。また、道路および用地造成実施設計業務をトーケンが7月31日まで、アクセス道路築造(地盤改良)工事を関東機工建設が10月31日までに行う。