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新建新聞社
2024/02/27

【長野】松本市 「松本城天守」の耐震対策を検討

鉄骨ブレースなどによる補強を想定
着工時期や工期は未定、基本設計の早期着手目指す
 松本市は、国宝松本城天守の耐震対策について、鉄骨ブレースなどによる補強を検討している。現時点での着工時期や工事期間は未定。文化庁との協議を進め、基本設計の早期着手を目指す。
 松本城天守は、文化庁の耐震診断指針に基づく耐震診断を実施したところ、耐震性能が低く、目標性能を満たさないことが判明した。地震への対策として、大きな補強が必要な状況。
 市によると、現在の耐震対策案では、◇1階〜5階に鉄骨フレーム◇1階にブレース型または水平型のオイルダンパー◇4階に方杖型の粘弾性ダンパー◇6階の土壁内に鉄骨ブレースまたは構造用合板による補強―などを検討している。鉄骨による補強を行う理由には、将来の解体修理の際に原状復帰が可能なことと、もともとの古材との区別が容易であり部材搬入がしやすいことを挙げた。
 建物基礎部の対策案は、◇床上基礎案(直接基礎)◇床下基礎案(直接基礎)◇杭基礎+地盤アンカーの3案で検討中。基礎部の対策は、いずれも掘削や杭の打ち込みなどを伴うため、史跡への影響が大きく、文化庁史跡部門との協議が今後必要になる見通し。また史跡の影響範囲についての発掘調査を実施するよう文化庁から指導を受けているという。
 石垣裾部の基礎対策では鋼管杭で対処を検討するほか、建物内部に鉄骨を設置し石垣を補強することで、避難経路を確保する方法も検討している。

提供:新建新聞社