県スポーツ振興課は、新県立体育館の建設に関し、PFI発注に向けた今後のスケジュールを26日の産業観光委員会で明らかにした。実施方針と要求水準書案を3月1日に公表、説明会や民間事業者との意見交換などを踏まえながら、7月上旬に総合評価一般競争入札で公告する。整備運営費は、債務負担行為を6月議会に提案する。要求水準書案には、建物の延べ床面積やアリーナの形状、緑地・遊具広場などについて盛り込み、民間事業者の意見を参考に適宜変更する。
事業は、現体育館(秋田市八橋運動公園1−12)が令和10年に目標使用年数の60年を迎えるため、スポーツ科学センターの機能を統合した新施設として建設するもの。建設地は現県立体育館の北東側で、基本計画では、既存の運動施設の移転などを伴わずに用地を確保できる丘の周辺としている。昨年12月に策定した基本計画では、事業費を約190億円とし、うち県負担は96億円程度と見込んでいる。
整備・運営・維持管理にはPFI手法を導入、参入のしやすさやスケジュールの観点からBTO方式(建物完成後に所有権を公共に移転し、運営を一定期間、整備した民間事業者が行う)を選定している。
委員会では、実施方針の基本的な考え方として、PFI事業の範囲・方式、立地や配置のほか、民間事業者の募集方法として総合評価一般競争入札を採用することを説明。設計、建設、工事監理、維持管理、運営の5業務を行う者を含むグループで、かつ類似業務の元請け実績を求める。
7月上旬に公告し、入札参加資格申請期限を8〜9月、提案書提出期限を11月上旬とする見通し。12月上旬には落札者を決定し、7年の2月議会に契約や指定管理者の指定など関係議案を上程する。
要求水準書案では、◇建物(既存機能の延べ床面積14,143u未満、通常時のエントランス・トイレ等の開放など)◇アリーナ(Bプレミア基準を上回る6,000席以上を確保、八角形または同等の観やすい形状など)◇緑地・遊具広場(丘の頂上部と連続性の緑地、他施設と丘の回遊性確保など)◇有料駐車場(県指定箇所に計400台程度など)―といった考え方を示した。
丘を含む緑地・遊具広場は、建設地である八橋運動公園が秋田市管理であることから、市の意向も踏まえることとしている。また、有料駐車場は将来的にさらに100台程度を確保し、基本計画と同様に約500台を整備する方針。
このほか、要求水準書案にはPFI事業者による独立採算での自主事業実施や、収支が当初計画を上回る場合にPFI事業者が利益の一部を県に還元するプロフィットシェアリングを導入し、財政負担の削減を図る。
提供:
秋田建設工業新聞社