建設新聞社
2024/02/26
【東北・宮城】東北道との相互乗り入れへ調査/仙台北部道路の富谷地区橋梁検討
東北自動車道と仙台北部道路の相互乗り入れ実現に向け、NEXCO東日本東北支社は調査検討業務を発注する。このほど簡易公募型プロポーザル方式による「仙台北部道路富谷地区橋梁検討業務」の手続きを開始した。
東北道と仙台北部道路は、宮城県富谷市穀田地内にある富谷JCTで接続しているが、仙台北部道路の起点側(東側)のみ相互乗り入れが可能で、富谷ICにつながる終点側(西側)は乗り入れできない構造となっている。
富谷JCTは、IC周辺に自動車や半導体をはじめとした産業集積が進む東北道と、仙台塩釜港や常磐自動車道・三陸自動車道を結ぶ物流上の重要なポイント。近隣でも今後、大型半導体工場が立地するほか、人口も増加傾向にあることから、富谷IC側の相互乗り入れ実現によるリダンダンシー確保と利便性向上が期待されている。
「仙台北部道路富谷地区橋梁検討業務」は、仙台北部道路と東北道の相互乗り入れに必要な橋梁の調査検討を行う。概略構造を検討し、必要な用地や近隣への影響を把握することが目的。業務場所は富谷市西成田地内。
参加資格は橋梁設計の有資格者。参加表明書は3月4日まで、技術提案書と参考見積書は4月15日まで受け付ける。ヒアリングなどを経て6月3日に特定通知を予定する。参考業務規模は3000万〜3800万円(税込み)。
2022年11月に開かれた宮城県都市計画審議会では、仙塩広域都市計画道路の変更として、富谷JCT東側の仙台北部道路上にUターンランプを新設する計画が示された。富谷ICから仙台北部道路に乗車した車両が、このランプを通ることで東北道上下線への乗り入れが可能になる上、東北道から富谷JCTで仙台北部道路に乗り入れた車両も、ランプによって富谷ICで降車できるようになる。
当時の計画によると、Uターンランプは、県道仙台三本木線を跨ぐ成田高架橋の橋脚部でループする形状を想定。ループ西側の織り込み長は上下線とも約600bで、擦付区間を挟み、ループ部分の橋長は約396bを見込む。ランプは1車線。仙台北部道路とランプ路面のクリアランスは約5b、ランプ下部と県道のクリアランスは約17bを確保するとしていた。
なお成田高架橋を含め、仙台北部道路の利府しらかし台IC〜富谷JCT間は、4車線化に拡幅する事業計画も進行中。NEXCOは24年度第1四半期にも土工や橋梁下部工を施工するWTO対象の「仙台北部道路富谷工事」を公告する見通し。この事業で成田高架橋を4車線化する設計業務は建設技術研究所、道路設計はオリエンタルコンサルタンツが担当している。
提供:建設新聞社