能登半島地震で被災した、能越自動車道、のと里山海道、国道249号などの早期復旧に向けた助言を有識者から求めるため、北陸地方整備局と石川県土木部が設置した「令和6年能登半島地震道路復旧技術検討委員会」(委員長・川村國夫金沢工業大学教授)の初会合が20日、同局金沢河川国道事務所で開かれた。被災は能越自動車道・のと里山海道(直轄権限代行区間)が178カ所、国道249号が231カ所に上っているといい、会合後に記者会見した川村委員長は「国道249号は壊滅的な被害だ。緊急車両が通れる4メートル幅の道路の復旧を進めているが、いつまでかかるのかは見通しが立たない」との現状を説明した。
それによると、「能越自動車道、のと里山海道」の被災個所の分類は、▽斜面崩壊5▽切土10▽盛土34▽橋梁13▽路面116―。特徴は、「23年供用の輪島道路では盛土区間の被害は軽微だが、斜面と切土法面が発生」「平成19年能登半島地震の被害個所での排水強化、補強盛土といった復旧対策は有効に機能」―。
国道249号の被災個所の分類は、▽斜面崩壊19▽切土9▽地すべり30▽盛土18▽トンネル5▽橋梁23▽路面127―。特徴として、「全体のうち30カ所が地すべりに起因する斜面災害」「斜面と切土法面の崩壊はアンカー工、鉄筋挿入工が併用されていない法面で多い」「大谷トンネル、中屋トンネルは覆工の崩壊、支保工が変形」「路面被災は拡幅盛土の変状による個所が多い」「平成19年能登半島地震後に建設された八世乃洞門新トンネルはトンネル自体に大きな損傷なし」―。
会合は非公開で、川村委員長によると、委員からは「国道249号沿岸部は十分な調査と慎重な復旧方法の検討が必要」、「能越自動車道では盛土部の復旧にあたり施工材料、排水対策を含めた補強工法の在り方を検討する必要がある」といった意見があったという。