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滋賀産業新聞
2024/02/22

【滋賀】東近江市の2024年度当初予算案

 東近江市は、26日に開会する市議会3月定例会に、一般会計547億円、特別会計215億円、企業会計110億9654万8千円からなる総額872億9654万8千円の2024年度(令和6年度)当初予算案を上程する。
 一般会計予算額は、前年度当初比50億円(10・1%)の増。令和6年度は市制20周年を迎えるにあたり、この節目を契機として更なる成長につなげるため、主要施策を強力に推進するとともに、合併特例事業債の発行期限を見越した重点事業の執行や、令和7年に開催する国スポ・障スポ大会に向けた準備を計画的に進めていく予算を編成。
 更には、人口減少や少子高齢化などの社会構造の急速な進行に加え、長引く物価高騰等による市民生活や地域経済の安定を図るとともに、「第2次東近江市総合計画(後期基本計画)」が3年目となることから計画の着実な実現に向けて事業を推進する。特に、市の主要事業である中心市街地のにぎわい創出、農林水産業・商工業の振興、結婚・妊娠から出産・子育ての継続した支援、健康福祉・地域医療の充実、教育環境の充実をはじめ、観光や歴史文化、スポーツの振興、都市基盤や公共交通機能の強化、DX推進による市民サービスの向上など、早急に取り組まなければならない事業を積極的に推進し、市が有する地理的優位性と、豊かで多様性のある地域資源をいかした特色ある施策を強力に遂行する予算を編成。『より強く、より豊かで、そして優しい東近江市の創生』を目指す予算としている。
 6つの特別会計は前年度比4・4%(9億9800万円)減、3つの企業会計は23・1%(20億7882万円)増。一般会計を合わせた総額では、7・5%(60億8082万円)の増となっている。
 一般会計の普通建設事業費は67・8%(19億9054万2千円)増の49億2563万8千円。
 また、同時に上程する23年度一般会計補正予算(第10号)案(総額15億8223万7千円の追加)には、国の補正予算により前倒しとなった能登川南小学校大規模改修事業に債務負担を含め9億9700万円、永源寺中学校大規模改修事業に債務負担を含め14億5000万円、道路新設改良事業に1億0200万円、おくのの運動公園体育館照明等改修事業に4054万円などが盛り込まれた。
 当初予算の主な施策は、『働き住み続けたい活力ある東近江市の創生』で、「企業立地の促進と雇用の創出の実現」に向けて工場等立地促進奨励金2億2095万円や、「中心市街地のにぎわい創出と商業振興」のため商店街活性化支援9648万円など、「農林水産業の生産振興と高付加価値化の促進」に向けては国営ほ場整備事業の採択に向けてスマート農業の導入促進150万円などを計上。
 『行きたい住みたい魅力ある東近江市の創生』では、「新しいひとの流れの創出」で大型商業施設の開業に合わせ県内外からの来店者を市内の観光施設に誘導する案内看板の新設・改修を、「観光施策の推進」で観光施設(能登川水車とカヌーランド)改修1億9500万円など、「文化的環境の整備」で能登川博物館改修1億0101万円、(仮称)森の文化博物館整備い向けた取り組み調査389万円、「学びやスポーツ機会の充実」で総合運動公園布引体育館大規模改修13億0621万円、市辺コミュニティセンター整備2億9750万円、能登川図書館改修1億5151万円、国スポ・障スポ競技会場施設整備2億5588万円など。
 『若い世代が希望をかなえる夢のある東近江市の創生』では、民間保育所施設整備支援2億8652万円など。『誰もが安心して暮らせる豊かな東近江市の創生』では、道路の新設改良2億7000万円、橋梁の長寿命化6610万円、(仮称)黒丸スマートIC設置推進1億3560万円、JR能登川駅舎長寿命化5500万円、市営住宅改修(ひばり丘団地大規模改修3期)1億6250万円、福祉センタハートピア改修5億0300万円―などを計上した。

 東近江市の24年度一般会計当初予算案の主なものは次の通り(関係分抜粋、▼印は新規事業)。

 【総務費】
▼広報活動事業=416万4千円(市制20周年記念事業として合併特別号広報誌や市勢要覧の作成)
▽情報システム管理事業(標準化業務システムへの移行等)=2億3550万8千円
▽デジタル化推進事業(行政情報データベース構築等)=4847万3千円
▽政策推進事業(100年先を見据えた森づくりの推進)=200万円
▼企画調整事業(市制20周年記念式典の開催・記念動画・切手の作成等)=488万7千円
▽地域活性化事業(木地師のふるさと発信)=797万5千円
▽定住移住推進事業=100万円(移住推進団体事業補助)
▼中心市街地にぎわい創出事業=3080万円(八日市駅東西連絡通路の整備に向けた検討、清水川修景整備設計)
▽コンベンション等開催支援補助金(ロケ撮影での宿泊支援拡充)=160万円
▼森の文化博物館整備事業(歴史文化・自然調査委託)=389万円(仮称・森の文化博物館開設に向け木地師氏子狩帳デジタルデータ化や生態系モニタリング調査)
▽まちづくり協議会支援事業(交付金)=3487万9千円
▽コミュニティ活動補助金=1300万円(自治ハウスの整備やバリアフリー化改修工事費等の補助)
▽自治会活動支援補助金=500万円(修繕・備品購入支援)
▽コミュニティセンター整備事業=2億9785万円(市辺コミュニティセンター整備)
▽バス・鉄道活性化事業=2億1637万9千円(ちょこっとバス・ちょこっとタクシーの運行、ちょこっとバスを活用した少量貨物運送)
▼近江鉄道線管理機構補助金=2億1747万8千円(安全運行に必要な施設等の修繕や長寿命化工事費用補助等)
▽生活交通路線維持費補助=6710万円(路線バス運行補助)
▼公共交通関連施設管理事業(JR能登川駅舎改修・近江鉄道朝日大塚駅駐輪場整備)=5850万円
▽森林づくり実践モデル林の整備=190万円
▽森里川湖エコツーリズム推進事業=400万円
▽「びわ湖東近江SEA TO SUMMIT2024」の開催=506万円
▽森里川湖次世代育成事業(河辺いきものの森運営)=1623万5千円
▽布引の森運営=1090万円
▽里山保育の推進=355万3千円
▼循環共生型まちづくり推進事業(第3次環境基本計画策定)=500万円
▽地球温暖化対策・再生可能エネルギー促進事業=460万円(住宅用太陽光発電・蓄電システム導入補助)
▽環境調査事業(市街地ムクドリ対策)=31万1千円
▼市制20周年記念事業「結婚記念撮影ブース設置」=30万円

 【民生費】
▼福祉センターハートピア大規模改修事業=5億0300万円
▽公立認定こども園施設整備事業=1500万円(ひまわり幼児園改修工事)
▽民間保育所施設整備支援事業=2億8651万2千円(能登川地区に予定の民間施設整備補助金)

 【農林水産業費】
▽次世代担い手確保・育成支援補助金=400万円(農業用機械の導入、ハウスの設置、空きハウス修繕等への補助)
▽農業用ドローン資格取得費用補助=30万円
▽新規就農者育成総合対策経営発達支援事業費補助金=1500万円
▽高収益作物生産振興補助金=1100万円
▽農林水産創造・ネットワーク事業補助金=2000万円
▽地域活性化起業人(企業人材派遣制度)導入事業=660万円
▽鳥獣対策事業=4099万3千円(有害鳥獣の捕獲・個体数調整、侵入防護柵設置補助、里山整備等)
▼畜産農家支援=600万円(肥育素牛導入補助)
▽団体営土地改良事業=3385万2千円(団体営土地改良事業支援〔農地耕作条件改善事業等〕)
▽県営土地改良事業=1億6806万5千円(経営体育成基盤整備、石綿用水管更新、ため池整備、水質保全対策)
▽国営土地改良事業(スマート農業導入促進事業)=150万円
▽農用地環境保全多面的機能支払交付金=2億5273万円(地域で実施される水路・農道・ため池の保全等を行なう共同活動や老朽化が進む農業用水路等の施設長寿命化に対する支援)
▽林業振興対策事業(森林経営管理モデル事業)=584万円
▽森林境界明確化業務委託料=984万5千円
▼林業生産性向上機械等導入補助金=160万円

 【商工費】
▽商工業振興支援=5230万9千円
▽商店街等活性化事業=8575万1千円(大型商業施設の開業に合わせレシートラリーキャンペーンを実施)
▽空店舗出店者支援事業=300万円
▽小規模事業者既存店舗リノベーション支援事業=400万円
▽中心市街地商業等空店舗再生支援事業補助金=900万円
▽企業立地促進奨励金=2億2095万円
▽雇用促進奨励金=3710万円
▽短期滞在外国人市内周遊機会創出事業=200万円
▽民泊推進事業=500万円
▼観光施設改修事業(能登川水車とカヌーランド改修)=1億9500万円
▽観光資源ブランド化推進事業=730万円

 【土木費】
▽(仮称)黒丸スマートインターチェンジ設置推進事業=1億3559万3千円(用地測量及び設計他)
▽道路長寿命化対策事業=3500万円(石谷上二俣線、百済寺丁下中野線の維持補修工事)
▽橋梁長寿命化対策事業=6610万円(関堂橋改修工事、橋梁点検89橋)
▽市道維持補修工事=7000万円(約20ヵ所)
▽生活道路等環境整備事業=1500万円(補助金、16自治会)
▽雪寒対策事業(除雪機械購入補助)=120万円
▽道路新設改良事業=2億7000万円(国交付金対象事業=能登川北部線、妹市ケ原線、桜川石塔線、上中緑町小今線。国交付金対象外事業=中小路妙法寺線、宮荘簗瀬線他)
▽交通安全施設整備事業=5333万5千円(通学路の安全対策や生活道路の速度抑制対策、カーブミラーの設置等)
▽水辺空間整備支援事業=1700万円(自治会が施工する生活水路整備等への補助、14自治会)
▽急傾斜地崩壊対策事業=3580万円(山上町、愛東外町)
▽公園緑地管理事業(施設修繕・維持管理)=1200万円(布施公園排水設備修繕他)
▽建築物地震対策推進事業(ブロック塀等耐震対策事業補助)=150万円
▽特定空家等対策推進=602万5千円(相続人調査の実施及び財産管理制度の活用)
▽住まい創生センターの運営=1073万円
▽空家等対策事業補助金=3400万円(子育て世帯空家改修補助金、移住者向け空家改修補助金、特定空家等除却支援事業補助金、空家等解体補助金、認可地縁団体向け空家等除却費補助金)
▽市民子育て住宅取得補助=2300万円
▽Uターン者住宅取得補助=500万円
▽市民定住住宅リフォーム補助=1500万円
▽市民結婚新生活支援補助=360万円
▽市営住宅ひばり丘団地大規模改修(第3期)事業=1億6250万円(5・6号棟の外壁・屋根改修)

 【消防費】
▽非常備消防施設整備事業(消防自動車整備)=3650万円(第8分団八日市・南部=多機能積載車、第18分団湖東・菩提寺=ポンプ車)
▽自主防災組織育成事業補助=710万円(可搬式消防ポンプ購入補助他)
▼防災情報告知放送システム更新工事=4000万円

 【教育費】
▼校内教育支援センター設置・運営=5801万円(小学校9校、中学校7校に設置)
▽不登校児童生徒支援事業=4448万円
▽GIGAスクール構想の推進=1億4175万2千円(大型掲示装置の導入他)
▽小学校施設整備事業=800万円(布引小学校・愛東南小学校=放送設備改修、五個荘小学校等空調及び教室改修設計)
▽中学校施設整備事業=500万円(愛東中学校給水配管改修)
▼能登川図書館改修=1億5150万2千円
▼永源寺境内建造物調査=55万円
▽指定文化財保存修理防災事業補助金=1193万8千円
▽伝統的建造物保存修理補助金=1714万円
▼能登川博物館改修=1億0100万3千円
▼(仮称)森の文化博物館整備に向けた取組=389万円(木地師氏子狩帳デジタルデータ化、生態系モニタリング調査の実施他)
▽スポーツ施設整備事業=13億0620万4千円(布引体育館大規模改修工事)
▽国スポ・障スポ競技会場施設整備事業=2億5588万円(サッカー=能登川グラウンドフェンス・トイレ等、カヌー=伊庭内湖艇庫トイレ修繕・コース浚渫工事・水草除去、自転車=道路舗装修繕工事)

提供:滋賀産業新聞