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日本工業経済新聞社(埼玉)
2024/02/19

【埼玉】参加者の8割が継続希望、初の民官女性技術者意見交換

 建設分野の女性活躍に向けて、1月30日に県内建設企業女性技術職員と県女性土木技術職員合わせて46人が参加して初めて行われた「民官合同女性活躍意見交換会」を受けて14日、県庁会議室で「民官合同女性活躍座談会」を開かれた。働き方改革の視点で工夫や改善点、DXの活用等を考えることをテーマに開かれ、意見交換会の結果を踏まえ、取り組むことができそうな工夫や改善点など、意見交換や情報の共有を図った。その中では、意見交換会参加者に行ったアンケートで、およそ8割が意見交換会の継続を希望していることが報告された。
 当日は、埼玉県建設業協会からSDGs部会の島田賢一副委員長(島田建設工業代表取締役)、磯田和彦専務理事、意見交換会参加者代表として柏木建設代表取締役の宇津城美奈子さん、小川工業取締役常務の小川幸子さん、斎藤工業取締役社長室長の斎藤悠美子さんが出席。県から県土整備部の吉澤隆副部長、用地課の赤沼知真課長、意見交換会参加者代表として県土整備政策課主幹の須永寛子さん、熊谷県土整備事務所課長の廣川茉希さん、農村整備課技師の齋藤由紀さんが出席した。
 冒頭の自己紹介の中で、1月30日に行われた意見交換について赤沼課長は「女性という視点で考えると、民間企業でも県職員も課題や悩みは同じだと感じた」と述べると、宇津城さんは「当社にも女性技術者が数名おり、働きやすい職場環境を作っていくうえで参考にしたい」。小川さんは「当社は育児休暇を全員に2週間取らせているということを、同業者に自慢することができたが、意見交換で県職員の方から『2週間だとかえって中途半端で迷惑ではないですか』と言われた時は、新鮮な思いでまだ認識が甘いと思った」。斎藤さんは「当社は女性の技術者は入ってくるが、定着しないという悩みを何年も抱えていたので、お話をお聞きして根本から考えを変えなければならないと勉強になった」と、いずれも有意義で貴重だったと評価した。
 その後、意見交換の結果が報告された。それによると、各種制度を活用した働き方について、制度の有無や周知活用といった課題から土木技術者特有の現状や意見、またDXやディレクター制度といった新たな取り組みについても意見が交わされた。DXについては「DXが進んだことにより、当社は週休2日制が可能になった」という声が多かったと報告された。一方でDXの課題として通信環境の改善やタブレットの配備、金銭面での支援、知識や技術習得面があがった。終了後、参加者に行ったアンケートで意見交換会について聞くと「非常によかった」41%、「良かった」55%と、全体の96%が高評価。今後も開催してほしいかどうかの問いには「開催してほしい」が78%と、およそ8割が継続を期待。理由として「通常、民官、女性同士で交流する機会は少なく、新鮮で参考になった」「民間企業では女性でも1人で現場をこなしており、働き方改革はこれからの部分も多いと思うので、元気な女性が多く頼もしかった」といった意見が出された。