千葉国道事務所、千葉県、茨城県を事務局とする千葉北西連絡道路地元検討会は19日、千葉国道事務所2階202会議室で初会合を開いた。会長の寺部慎太郎・東京理科大学創域理工学部社会基盤工学科教授は「国道16号は、沿道の物流施設などの立地が進み、今後も道路状況に変動が生じる」との見方を示した上で「包括的な方向性をまとめつつ、近隣住民の意見を聞いていく」と意欲を見せた。検討会では、周辺地域の交通課題や道路整備に対する意見などを把握し、複数のルート帯案の提示・検討を経て、概略計画を取りまとめる。
千葉北西連絡道路は、国道16号の交通渋滞を解消し、輸送時間の短縮による企業活動の効率化、成田国際空港のアクセス性向上などを図るとともに、安定した人・モノの流れの確保を目的としたもの。2022年11月開催の千葉北西連絡道路検討会では、多車線の自動車専用道路とし、起点をつくば野田線以北、終点を国道464号付近とする基本方針が示された。
「千葉県広域道路交通ビジョン・千葉県広域道路交通計画」では、核都市広域幹線道路の機能を兼ね備えた高規格道路として位置づけている。また、野田市・柏市・我孫子市・印西市の総合計画や都市計画マスタープランで、国道16号の渋滞緩和やまちづくりなどに寄与する路線に設定されている。
地元検討会は、計画段階評価を含む概略計画の検討を進めるための指導や助言を目的としたもの。千葉国道事務所・千葉県・茨城県のほか、学識経験者、野田市・柏市・我孫子市・印西市・白井市・茨城県取手市で構成。また、東日本高速道路関東支社がオブザーバーとして参加している。概略計画の取りまとめまで、1年以上を要する見通し。
国道16号について、本県北西地域の交通量は3万台/日を超えており、柏インターチェンジ〜呼塚交差点付近では交通容量を超過している。また、千葉ニュータウンや柏北部中央地区などの大規模開発、災害発生時における代替路、医療連携、広域ネットワークなどに関する課題を抱いている。
期待される効果として▽幹線道路の渋滞解消▽幹線道路の交通事故減少▽円滑な救急活動▽災害時における機能・安全性の確保▽物流円滑性向上および魅力あるまちづくり支援▽アクセス性の向上による自然環境や景観が観光資源としての価値の向上――を挙げている。