香川県は一般会計予算額を前年度比約17億円減(0・4%減)の4866億0700万円とする2024年度当初予算案をまとめた。過去20年間では22年度、23年度に続く3番目の規模となる。投資的経費は前年度比78億8900万円増(13・6%増)の659億2428万円。県立アリーナ整備事業(本体工事38億9300万円増、備品整備15億4100万円増)、老朽校舎改築事業(12億9000万円増)などが主な増額要因となっている。
県は、中長期を見据えた計画的な財政運営を行うために、23年11月に財政運営ビジョンを策定。県債残高を毎年度減らす考え方を見直し、将来に向けて必要な投資は積極的に行いつつ財政規模に応じた県債残高の管理に切り替えることにした。24年度の予算編成は、23年に見直した総合計画の基本目標「人生100年時代のフロンティア県」の三つの基本方針の下、17の重点政策を積極的に推進。具体的には南海トラフ地震に備えた災害に強い県土づくり、まちの美化や快適な都市空間づくり、企業誘致やスタートアップへの支援などに取り組む。
新規事業としては、本庁舎北館など再編整備事業に2850万円を計上し、基本計画を策定する。老朽化が進む畜産試験場の施設整備の基本設計には2398万円、水産試験場施設整備の基本設計には3694万円を充てる。
老朽校舎など改築事業には18億4237万円を用意。24年度は笠田高校校舎棟第2期改築や農業経営高校の北館・家庭科棟の解体、その他高校の教室棟や体育館などの大規模改修を行う。
基本目標の実現に向けた重点的な取り組みの一つである「サンポート高松地区における魅力的な都市空間づくり」には141億3100万円を計上。その大部分を県立アリーナ整備事業131億2400万円が占め、これ以外では高松港玉藻地区での大型クルーズ客船受け入れ施設整備事業に4200万円を計上。27年度をめどに11万d級までの大型クルーズ船を受け入れられるように岸壁を延伸する事業で、24年度は施設の詳細設計を行う。高松市中心市街地プロムナード化検討事業には5000万円を充てて、検討会議の開催や現地調査、周辺駐車場の満空情報提供などの交通対策を予定する。県立アリーナの開館に向けた駅や港からの安全で快適な歩行者空間を確保するサンポート高松地区都市再生整備事業には7億1200万円を計上した。
提供:建通新聞社