日本工業経済新聞社(埼玉)
2024/02/14
【埼玉】川口市 川口駅再整備、駅ホーム増設などの基本計画案を協議
川口市は8日に都市基盤整備・危機管理対策特別委員会を開き、中距離電車の停車に当たって必要な「川口駅再整備基本計画案」について協議した。市は上野東京ラインを停車させるために駅ホームを増設し、合わせてコンコース建て替えなどを実施する計画案を説明。今後はJR側との協議を深めた上で、ホーム増設の基本協定に関する議案を12月以降の議会へ提出する見通しだ。
現在のJR川口駅には京浜東北線の1路線のみが停車する状態。さらなる駅の利便性向上を図って、新たに中距離電車を停車させる計画だ。2022年度からJR東日本と調査協定を締結し、駅ホーム増設に必要な計画案や事業費などを調査していた。今回、JR側から概算事業費が示されたことを受けて、8日の委員会で駅再整備の基本計画案を明らかにした。
同委員会で示された基本計画案によれば、今回の駅再整備は「ホーム増設」「コンコース建て替え」「自由通路・改札の整備」の3点を基本とする考えだ。市有地を活用して、現在のホーム西側へ上野東京ラインが停車するホームを増設。それと合わせて、老朽化が進む現在のコンコースを建て替える計画となる。
コンコースは建て替えを行うに当たって、現在の場所から少し北側へ移動する見込みだ。京浜東北線・上野東京ラインの両ホーム間に新たなコンコースを配置することで、駅利用者の導線を分けて駅内の混雑解消などを図る。
コンコース建て替えに伴い、新たな改札口の整備が必要となる。計画案ではJR側から提示があった計3案のうち「既存デッキ方向へ改札口を整備」「既存デッキ方向へ改札口を整備しつつ、デッキを北側方向へ拡幅・屋根を整備する」の2案を有力としている。
事業費は改札口整備に関する2案のどちらを採用するかによって変動するが、既存デッキを活用する案ではホーム増設・コンコース建て替えなどを含めて約389億円、デッキを拡幅する場合は約420億円が必要との概算が提示されている。
事業を実施する際は、まず測量・設計に数年を要する見込み。設計を終えた後は順次「線路切り替え」「コンコース建て替え」「ホーム新設」などの工事を進めていき、着工から上野東京ライン供用開始までに10〜12年程度を充てる想定だ。
まずはJR東日本との基本協定締結に向け協議を継続。「中距離電車停車のためのホーム増設等に係る経費」は市が全額負担する想定だが、今回の計画案ではコンコースの建て替えなども含むため、実際の費用負担をどこまでの範囲とするかJR側と協議する考え。また「管理費・復旧費の算定」「管理に係る役割分担、市とJR東日本との財産区分」も検討する。
今後は4月以降に計画案のパブリックコメントを行いつつ、JR側との協議を終えた上で、市議会へホーム増設の基本協定締結に関連する議案を提出する予定だ。議案提出のタイミングは、8日の委員会段階では「早くても12月議会」との見通しを示している。