神奈川県県土整備局は、2024年度の当初予算案の一般会計に1184億円を盛り込み、土木事業費として道路橋梁費に465億円、河川海岸費に319億円、土木管理費に111億円、砂防費に100億円を計上した。23年度の実質当初予算と比較して、一般会計は5・7%増加。県営住宅事業会計の特別会計分と流域下水道事業会計の企業会計分を合わせた総計は1920億円で、前年度から7・7%増加した。
水防災戦略の推進には629億円、地震や津波対策の推進には484億円を盛り、公共・県単独土木事業費に充てる。
治水対策としては河川改修事業に178億円を確保。矢上川地下調節地のトンネル本体T期工事を進める他、境川など107カ所で護岸工などを実施する。都市河川重点整備計画(新セイフティリバー)に位置付けた矢上川や恩田川など18河川の整備を進める。河川管理費に5億円、酒匂川など152カ所の河川修繕費に49億円を充当し、護岸施設などを保全する。
土砂災害防止対策では、宮沢川など75カ所の砂防事業に35億円、早雲山など5カ所の地滑り対策事業に2億円、枡形6丁目C地区など286カ所の急傾斜地崩壊対策事業に55億円を計上した。47億円をかけて国道412号など99カ所の道路災害防除工事などを実施する。また、盛土規制法に基づく県内全域の既存盛土の安全性調査に1億円を充てる。
海岸保全施設の整備には12億円を配分し、茅ケ崎海岸など12カ所で養浜を主とした浸食対策や護岸の改良を行う。湘南港など4カ所の港湾補修費には4億円、藤沢海岸など12カ所の海岸補修費には2億円を計上した。
都市防災の推進に向けて41億円を街路整備費として盛り込み、都市計画道路横浜藤沢線など21カ所の整備を進める他、立体交差事業に6100万円、保土ケ谷公園など27公園の整備費に26億円を充てる。
緊急輸送道路の整備では、国道134号など69カ所の道路災害防除事業費に30億円、国道134号湘南大橋など73カ所の橋梁補修費に40億円を確保した。電線地中化促進事業では、10億円をかけて県道75号(湯河原箱根仙石原)など31カ所を整備する。また44億円を計上し、国道129号線など119カ所の道路を補修する。県道705号(堀山下秦野停車場)など137カ所の歩道や防護柵の設置などに49億円を盛った。
相模川・酒匂川の流域下水道事業費には92億円を充当し、処理場の設備の改築や耐震補強などを進める。
県営団地の建て替え事業では196億円を投じ、寒川新橋団地をはじめ10団地1023戸の工事などを実施する。
提供:建通新聞社