神奈川県企業庁は、2024年度当初予算案として総額1227億円を盛り込んだ。前年度と比較して、総額は0・8%減少した。水道事業会計では1000億円(前年度比0・5%増)、電気事業会計には124億円(同14・5%増)、相模川総合開発共同事業会計には28億円(同6・1%増)、酒匂川総合開発事業会計には21億円(同32・2%増)を計上した。相模ダムリニューアル事業を本格化する他、谷ケ原浄水場の再整備に向けた準備を進める。
水道事業では、管路更新推進事業費に213億円を充て、断水の影響が大きい基幹管路や災害時に復旧作業が困難になる管路、災害拠点など重要施設への供給管路の更新を優先する。浄水場の再整備では、7億円をかけて基幹管路の切り替え工事などを実施し、寒川第2浄水場の廃止に向けた準備を進める。また、谷ケ原浄水場を再整備するため、基本調査や検討業務の委託費に5000万円を配分。浄水処理施設全体の再整備事業に着手する。
電気設備の更新事業費として31億円を計上し、浄水場や配水池、ポンプ所などの老朽化した電気設備を更新する。基幹管路や県道などの埋設管の漏水調査費に2億円、寒川第3浄水場の浸水対策事業費に1億円、揚水ポンプ所の停電対策費に1億円を充てる。
水道施設脱炭素化事業費に2億円を盛り、稲荷ポンプ所などの更新とともに設備の高効率化を図り、空調設備の更新や照明のLED化を実施する。
電気事業では相模ダムリニューアル事業に16億円を充当。既設ゲートの開閉装置の整備などの付帯工事、仮桟橋の構築など下流施設工事などに取り掛かる。相模ダム・沼本ダムの施設整備費に6億円、相模貯水池の堆砂対策事業費に20億円、道志調整池の保全対策事業費に3億円を充てる。また、定置用蓄電所の導入に向けた調査・検討に2900万円を計上した。
相模川総合開発共同事業では、城山ダムの施設管理事業費に18億円を配分し、受変電設備や放流警報設備などを更新する他、1億円をかけて19年の台風19号による堆積土砂の撤去を行う。
酒匂川総合開発事業には三保ダム施設管理事業費に11億円、三保貯水池の保全事業費には9億円を充て、流芥処理施設を更新する。
提供:建通新聞社