過去3番目の予算規模、普建費は209億余
長寿命化関連66.9億、防災減災復興に55.1億
長野市の荻原健司市長は、2024年度の当初予算案を2月13日の臨時会見で公表した。
一般会計・特別8会計・企業4会計の総額は、対前年度1.8%(49.4億)増の2828.5億円。うち一般会計の総額は1650.3億円(対前年度2.4%増、39.3億増)。令和2年度の台風災害、平成26年度に次ぐ過去3番目の予算規模となる。
投資的経費は、総額で前年度2.5%(5.1億)増の212.1億円。内訳は、普通建設事業費の補助事業85.3億円と単独事業124.3億円をあわせ計209.6億円(対前年度4.6%増)、災害復旧費2.5億円―。主に長寿命化の予算充当が増額要因。
予算編成では、市長公約に掲げる「未来への投資」に向けた3つの柱(定着、変革、挑戦)を具現化。人口減少・少子高齢化を背景に伸び続けている社会保障関係経費を確保したうえで、未来を担う子どもたちの成長に向けた取り組みや地域経済・農業振興・スポーツによるまちづくり・移住定住の促進に対する投資に予算を充当。また、建設関連に直結する、防災・減災対策(災害に強いまちづくり)や令和元年東日本台風災害などの減災・防災・復興関連(55.1億規模)、普通建設事業費の増額要因となる公共施設の長寿命化対策(66.9億規模)にも重点配分した。
具体的には、新産業用地確保に1.0億円、長野駅前B−1地区市街地再開発に1.5億円のほか、災害関連の雨水調整池整備9億円、高機能消防指令情報システム構築5.5億円を計上。公共施設の長寿命化対策では、小中学校施設10施設に34.6億円(浅川小、広徳中など)、市営住宅7施設に9,9億円(返目団地など)、体育施設10施設に7.5億円(運動公園新総合体育館等)、庁舎・支所7施設に6.4億円とした。また、住宅・建築物耐震改修促進事業には1.4億円を充当。荻原市長は「能登半島地震の発生時点では予算編成を終えていたため、十分な対応に至れなかったが、有事の際は可能な限り早期に対応する必要性を実感した」と説明した。
新建新聞社