関西電力は美浜、高浜および大飯各発電所構内における使用済燃料乾式貯蔵施設の設置に向け、福井県、美浜町、高浜町およびおおい町へ「事前了解願い」を提出した。
中間貯蔵施設へのより円滑な搬出、さらに搬出までの間、電源を使用せずに安全性の高い方式で保管できるよう、将来の搬出に備えて構内に設置するもの。
計画によると、十分に冷却された使用済燃料を乾式の輸送・貯蔵兼用キャスク(全長約5・2メートル、外径約2・5〜2・6メートル)に収納。キャスクごとに、遮蔽用の格納設備(鉄筋コンクリート製パネルをボルト等で接合する構造)を設置する。
キャスク数は最大で美浜が10基、高浜が32基(第1期22基、第2期10基)、大飯が23基。
工期(キャスクの製作、土地の造成など)は、美浜が2026〜30年頃、高浜が第1期で25〜27年頃、第2期で25〜30年頃、大飯が25〜30年頃としている。
輸送・貯蔵兼用キャスクの概要
【安全機能】
▽除熱機能:発生する熱をキャスクの表面に伝え、外気で冷却
▽閉じ込め機能:一次蓋、二次蓋の二重蓋で密封を維持し、放射性物質を閉じ込め
▽遮蔽機能:金属製の胴・蓋や中性子遮蔽材等により放射線を遮蔽
▽臨界防止機能:バスケットにより使用済燃料の間隔を保ち臨界を防止
▽堅牢性:地震時に作用する力、竜巻による飛来物の衝突、森林火災等の自然現象および地震等による格納設備損傷の影響に対しても安全機能が維持できる
【主要寸法(キャスク本体)】
▽美浜:全長約5.2m、外径約2.5m
▽高浜、大飯:全長約5.2m、外径約2.6m