新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、グリーンイノベーション基金「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」(GI基金)の「フェーズ2」に係る浮体式実証事業の公募を開始した。受付期間は3月25日正午まで。公募にあたり、内容や交付に係る手続きなどの説明会を開催する予定で、今月15日まで参加を受け付ける。実証事業の計画は、秋田県南部沖を含む4海域から1カ所を選択し、策定することが求められている。
同プロジェクトは、今後、急成長が見込まれる洋上風力のアジア市場獲得に向け、風車の大型化に対応した設備利用率の向上とコスト低減を図り、浮体式洋上風力発電の商用化につなげるもの。12年までに一定条件下(風況など)において、着床式の発電コスト(8〜9円/kWh)を見通せる水準にすることを目標としている。
フェーズ2は風車、浮体、電気システム、係留等の挙動・性能・施工性・コストを考慮した一体設計技術を確立し、国際競争力のある価格で浮体式を商用化に繋げるもの。実証海域として昨年10月、「秋田県南部沖(由利本荘市及びにかほ市沖海盆エリア)」「北海道石狩市浜益沖」「北海道岩宇・南後志地区沖」「愛知県田原市・豊橋市沖」の4海域が選定されている。
実証規模の目安は30,000kW以下で、海外の浮体式洋上風車の規模が最大10MW程度であることを踏まえ、単基出力を10MW以上とする。ただし、15MWを超える風車は例外として2基までの設置を認め、単基で検証できない実証要素を含めることが条件。実証事業は6年度から12年度までの最大7年間を想定している。
応募者は事業戦略ビジョンを作成するほか、事業計画の実現性の観点から、実証と商用化時の発電コスト等目標算定書など、必要書類を提出する。5月中旬には面接審査を行い、同月下旬に交付先を決定、6月上旬の事業者公表を予定している。
公募にあたり、NEDOでは内容や交付に係る手続き、提出する書類などについてオンラインで説明会を開催する。参加は必須ではないが推奨しており、参加申し込みを今月15日正午まで受け付ける。
提供:秋田建設工業新聞社