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北陸工業新聞社
2024/02/09

【新潟】CCUS活用推進を/日建連と県土木部が意見交換

 日本建設業連合会北陸支部(支部長・木村淳二鹿島執行役員北陸支店長)と新潟県土木部の意見交換会が8日、新潟市中央区で開かれた。
 提案議題のうち、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用状況について、日建連側は「一次協力会社の事業者ID、技能者IDの取得率、カードリーダー設置工事が増えてきているが、さらなる活用が必要だ」として現状と課題を報告。県は「普及拡大に向けたインセンティブとして、2024−25年度入札参加資格において事業者登録している場合、主観点を加算することとしている」と説明。モデル事業を含む施策は「他県等の状況を注視している」とした上で、「制度のメリットの明確化等は普及促進に欠かせない。国の取り組み機会を捉え今後も要請していく」と述べた。
 建設現場の生産性向上については、各現場で実施されている生産性向上策や、工事書類簡素化、電子・紙での書類の二重提出削減に関するアンケート結果を報告。これに対し県は、発注工事設計書への「遠隔臨場に関する特記仕様書」添付や、プレキャスト部材使用に関する現場条件等を総合的に判断しての現場打ちとの比較検討といった取り組みを行っていると説明するとともに、「技術管理説明会」で工事書類簡素化の周知を図っていく考えを表明した。
 工事施工の円滑化および設計変更手続きについては、「工事施工円滑化4点セット」や発注者・設計者・受注者間の情報共有を図る三者会議に関し、「24年度から時間外労働の上限規制適用が始まるため、工事の円滑化には不可欠だ」として、さらなる活用推進を求めた。県は4点セットがすべての発注工事に適用済みであることを示すとともに、「積算、工事監督を一括して同じ職員が行っているため各種部会制度は設けていないが、三者会議を必要に応じて開催していく」とした。
 ほか、安定的・持続的な公共事業予算の確保や、適正な工期設定と休日確保についても意見を交わした。
 木村支部長は、能登半島地震を含め、これまで県が見舞われた自然災害を振り返った上で、「県民の皆さんが安全で安心して生活できる社会基盤整備と、災害に強い地域づくりの推進を強くお願いする」とし、「業界としても激甚化、頻発化する気象災害への対応や県民の暮らしと経済を支える社会基盤の整備、維持、管理に資する事業活動を通し、力を尽くす所存だ」と決意を述べた。
 県土木部の佐藤健一副部長は、「県の財政状況が厳しい中、地方財政措置の有利な県債などを活用するなどし、引き続き防災減災、インフラ老朽化対策、災害に強い道路交通ネットワークなどの整備などに取り組んでいく」と応じた。

hokuriku