県は7日、6年度当初予算案の概要を発表した。一般会計総額は5,842億3,400万円で、前年度の5,825億4,300万円に比べ16億9,100万円、率にして0.3%の増となった。昨年7月の大雨で被害が発生した河川の改修事業費に56億3,740万円を充てるなど、災害対応を集中的に実施する。公共事業費は1,011億4,900万円で、5年度2次補正と合わせた実質事業費は1,334億8,800万円。5年度実質事業費と比較して53億2,000万円、4.2%の増となった。
新規事業数は38事業。継続事業の内訳にある61件を加えると新規取り組みは99件で、前年度に比べ20件の増となっている。
新規事業では、気候変動などに対応した防災力の強化として「男鹿半島地域等防災・減災対策検討事業」を盛り込んだ。元日に発生した能登半島地震を受け、男鹿半島でも同様に道路の寸断などによる救助困難が予想されるため、地震や津波が発生した場合の被害想定と、防災・減災対策などを検討する。
大館警察署の改築も新規事業として盛り込み、PFI導入可能性調査を行うため、1,254万円を計上。建設年数が経ち、老朽化などが著しいことから建て替えを予定しており、官民連携による施設整備運営を視野にPFI手法の導入を検討している。
新規ではこのほか、秋田県心身障害者コロニー整備事業で検討委員会を設置し、施設整備方針などについての検討に着手するほか、給食センターの空調設備を更新する。
継続事業のうち、学校施設整備では比内支援学校、横手高等学校、大曲高等学校、金足農業高等学校、湯沢高等学校、栗田支援学校の建て替えを実施。このうち14億1,648万3,000円を計上した大曲高等学校では、旧校舎棟の解体と第一体育館の新築を行う。金足農業高等学校と湯沢高等学校では、教室・管理棟の新築を発注する予定。
脱炭素化の促進に向け、全ての電力を再生可能エネルギーで供給する「再生可能エネルギー工業団地」の整備費(工業団地開発事業特別会計)として3億6,924万円を計上。下新城地区と能代西高等学校跡地に整備するもので、6年度は測量や基本設計、下新城地区の造成工事などを実施する。
このほか、大森ふ頭用地造成に10億1,650万円を計上(港湾整備事業特別会計)しており、埋め立てやフェンスの付け替えを実施する。
公共事業では、農業生産基盤の整備やインフラ施設老朽化対策、豪雨等の防災・減災対策などに積極的に取り組む。6年度当初予算には1,011億4,900万円を計上、うち災害復旧費に156億3,600万円を充てる(5面別表参照)。
公共事業の主なものとしては、秋田港〜秋田北IC間のアクセス強化を図る「秋田港アクセス道路」の整備(6年度10億1,600万円)、国道105号ほか23カ所を対象に行う地方道路交付金事業(同25億3,120万円)、河川激甚災害対策特別緊急事業として実施する太平川の河川改修(同24億3,600万円)、三種川や下内川、芋川など19カ所を整備する河川改修事業(同32億140万円)、堤防補修などを行う県単河川等環境維持修繕事業(同21億1,958万円)、5年度発生の公共土木施設災害復旧事業に充てる過年発生土木災害復旧事業(同93億5,602万7,000円)などに事業費を計上。
農地集積のための区画整理や暗渠排水などを行う経営体育成基盤整備事業(6年度94億1,289万円)は、神代地区(仙北市)ほか68カ所、治山事業(同33億3,106万円)は下新田地区(鹿角市)ほか75カ所が対象となっている。
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秋田建設工業新聞社