大原野土地改良区は、京都市西京区の薬師谷池の防災減災事業に着手する。
薬師谷池(京都市西京区大原野灰方町1302)は、大原野灰方町他の農地6・1fを灌漑している当該地域の主水源施設。ため池の堤体は耐震照査で堤体の規定の安全率を満たさず、危険な状況なため、緊急的な堤体改修が望まれている。また洪水吐は流下能力不足で、取水施設は老朽化しており、早急に改修を行う必要がある。
改修補強工法について、取水施設は(斜樋)スライドバルブφ150×1孔、スライドバルブφ150×1孔(緊急放流孔兼用)及び(底樋)φ800、プレキャスト底樋管、土砂吐ゲート(600×600)、洪水吐は(洪水吐)水路流入式三面張鉄筋コンクリート造及び(放水路等)鉄筋コンクリート三面張長方形水路、堤体は(法面保護工)上流側は張ブロック(1対2・0)、下流側は土羽(1対2・0)。このほか、漏水防止工法として前刃金工法により止水を図る。
環境への配慮として、植物は工事前に表土ごと移設し、工事後の復旧時に表土ごと復旧する。昆虫類は工事影響範囲を必要最小限度にとどめることで影響が少なくなるように配慮する。水生昆虫と両生類は近隣のため池に移動させ、工事完了後には元のため池に戻す。
令和6年度に実施設計を進め、7年度から仮設工にとりかかり、7年度から8年度に堤体工、8年度及び9年度に堤体付帯工、8年度に洪水吐工、7年度から8年度に取水施設工を実施する計画。
総事業費は2億5998万円を見込む。内訳は工事費2億1290万円(▽堤体工4140万円▽堤体付帯工1570万円▽洪水吐工3150万円▽取水施設工2530万円▽仮設工9900万円)、測量試験費3250万円、用地補償費220万円など。
総費用総便益費(B/C)は5・85と算出した。