愛知県企業庁は、豊橋浄水場再整備等事業について、事業方式をPFI法に基づくBT+コンセッション方式とする「基本的な考え方」(以下、考え方)を、1月31日に公表した。事業期間を再整備期間と運営期間を合わせて30年程度。再整備費用は300〜320億円としている。事業スケジュールは、2024年度に実施方針の策定・公表、その後、特定事業に選定し、公告する予定だ。
豊橋浄水場は、1967年度に豊橋市の浄水場として竣工し、県営事業が発足した70年に、同市から県に移管された。供用開始から50年以上が経過しており、老朽化などを理由に、全面的な施設の更新を行う。次世代型の新しい浄水場の構築に向け、施設の更新と合わせて、浄水場施設におけるカーボンニュートラルの実現、隣接地にある豊橋市の小鷹野浄水場との連携をコンセプトとしている。
事業方式については、PFI法に基づくBT方式で、事業者からの提案を基に再整備工事を行った後、県に施設の所有権を移転し、コンセッション方式(地方公共団体事業型)により、再整備後の運営・維持管理等について、県が事業者に対して、施設の運営権を設定する。また、豊橋浄水場の管理などに関係する取水施設や場外管路などの施設については、維持管理などを事業の範囲に含め、「ウォーターPPPレベル3・5」(将来的にレベル4への移行を想定)に準じたマネジメントを部分的に導入するものとした。
事業期間は、2025〜55年度の30年程度で、再整備期間を10年程度、運営期間を20年程度とした。事業の対象施設は、撤去施設(既存施設)、新施設(浄水処理設備、浄水池、ポンプ井、管理本館など)、場外管路、維持管理施設、関連施設(小鷹野浄水場)。施設能力では、現況の計画浄水量が日量11万6600立方b、施設能力は日量10万4900立方b、浄化処理方式は急速ろ過方式。再整備後の施設能力(予定)は、計画浄水量が日量9万3000立方b、施設能力は日量8万8000立方b、浄化処理方式は急速ろ過方式または膜ろ過方式。所在地は豊橋市東小鷹野2ノ9ノ1。敷地面積は2万5783平方b。
カーボンニュートラルの実現では、▽省エネ型機器や太陽光発電などの発電設備の導入▽位置エネルギーを有効活用した取水▽水素技術を活用した脱炭素化―の推進を想定している。
応募者等の構成は応募企業または応募グループとし、資格要件は入札説明書等の公表時に示すものとした。
事業スケジュールは、24年度第1四半期に実施方針の策定・公表、同第2四半期に特定事業の選定、同第3四半期に入札公告、25年度第3四半期に事業者を選定、契約締結する計画だ。
提供:建通新聞社