日本工業経済新聞社(群馬)
2024/02/02
【群馬】県 2024年度当初予算案を公表
山本一太知事は2日、県庁で記者会見を開き2024年度群馬県当初予算案を発表した。重点施策へ「県民の幸福度向上」「新群馬の創造」「群馬モデルの発信」「財政の健全性の確保」の4つを掲げ、各種施策を進めていく。投資的経費全体を見ると、ぐんまフラワーパークのリニューアル工事や赤城公園活性化へ向けた整備などの大型案件を実行するため前年度と比較して62億円増額している。注目事業の一つである敷島公園新水泳場整備では、整備運営事業契約へ向け債務負担行為で224億8560万円を設定している。また、災害レジリエンスbPの実現では、県土整備部約221億円、環境森林部約65億円、農政部約14億円となり計300億円を事業費に充てる。
山本知事は2期目を迎え初の当初予算を「幸福実感・新群馬実現予算」と銘打ち「ふさわしい予算編成ができた」と話すと「『攻』と『守』のバランスが取れた予算。加えて1期目撒いた種が芽を出し始めている『群馬モデル』を発信していくことが、県の未来をつくる上で大変重要」と考えを示した。
一般会計総額は7816億円。うち投資的経費は961億7965万5000円で対前年度比62億1407万4000円、6・9%の増加となった。内訳は◇補助公共=553億4600万円(前年同額)◇単独公共=207億1800万円(前年同額)◇その他投資的経費=201億156万5000円(前年比44・7%増)−となった。なお、その他投資的経費のうち、県有施設等長寿命化事業費は35億円となり前年度比9・1%増加している。
防災減災対策として県土整備部で災害レジリエンスbPの実現へ総額221億5846万9000円を盛り込む。5か年重点レジリエンス戦略である緊急水害アクションに10億7392万2000円を充て、利根川(伊勢崎市、玉村町)や大川(太田市)などの河川整備や桐生川(桐生市)や霧積ダム(安中市)などの機能維持や回復に対応する。また、住民の主体的な避難行動を促すため、水位計や河川監視カメラの拡充を図る。
中長期レジリエンス戦略には207億549万7000円を計上。碓氷川(高崎市・安中市)や多々良川(邑楽町)などで防災インフラ整備を行うほか、土砂災害リスクを軽減させるため尻谷沢(渋川市)やはるな郷A地区(高崎市)などで防災インフラ整備を実施する。また、上信自動車道、西毛広域幹線道路、渡良瀬幹線道路などの道路ネットワーク構築を引き続き進めていく。
敷島公園新水泳場整備では、25年度から43年度を期間とした整備運営事業契約(PFI方式)へ債務負担行為で224億8560万円を設定。また、解体や基本設計、実施設計および支障物件移転工事などに対して6億4440万円を配分する。
県立赤城公園の活性化では、拠点施設整備を進めるとともに、覚満淵の老朽化した木道の再整備や啄木鳥橋架け替え工事などを実施するため22億4800万円を確保。大沼(おの)キャンピングフィールドおよび赤城ランドステーションの工事などを推進する。
ぐんまフラワーパーク改修事業には、2月補正予算案と合わせて36億9679万8000円を配分。第2期工事費へ16億4351万円を充て、景観整備や施設整備などの工事を実施していく。
教育委員会関係では、沼田高校を改修し25年に開校を迎える沼田・利根地区新高校について、増築棟新築工事へ8億6041万円、既存校舎・体育館改修工事に11億1508万7000円を確保した。また、県立学校体育館の空調設置に6億7067万円計上。10棟の工事と25棟で設計委託を行う。このほか、伊勢崎地域特別支援学校の教室不足や老朽化を解消するため施設整備などを行うとともに、高等部を新設するなどの事業へ3億1716万8000円を計上する。
このほかの建設関連主要事業は次のとおり。(3〜5面に一覧)
【県有施設脱炭素化実践】
県有施設におけるLED化へ債務負担行為へ6億2657万4000円を設定。30年度までにLED化率を100%とするため、リースによりLED照明の取り付けを推進する。24年度は県立学校、警察施設、合同庁舎の合計20施設で実施。
【県庁舎リノベーション推進】
県民ホールLEDビジョン改修およびデジタルサイネージ設置4000万8000円、群馬会館照明設備LED化8162万円、執務室フリーアドレス化2億228万400円など、総額4億3479万1000円を計上する。
【県有施設等長寿命化推進】
知事部局等15億円、県立学校16億4000万円、警察施設3億6000万円で長期保全計画に基づいた長寿命化工事を推進する。
【県庁7階危機管理センター整備】
工事費1億8571万円を含む2億1625万7000円を充て、県庁7階を改修し危機管理センター本部の改善を図る。
【災害ヘリ事故慰霊等】
18年8月に中之条町入山地内の山中に墜落した県防災ヘリコプター「はるな」の事故慰霊に関する整備について、慰霊登山道設置へ1億3560万を配分する。
【ぐんま学園改修工事】
長寿命化工事のほか児童の生活改善を図るため、居室個室化設計委託を実施するほか、本館棟屋根防水工事や浴室改修工事などへ総額9649万4000円を計上する。
【農政部施設整備】
農業技術センターいちご施設や水産試験場マス生産施設などの整備に向けた実施設計業務に5417万8000円を確保する。
【企業局関係】
館林北部第四工業団地や伊勢崎南部国領産業団地など、新規産業団地整備に64億9915万円を計上するほか、板倉ゴルフ場整備などに8億2116万9000円を配分する。
【病院局関係】
老朽化が進む県立小児医療センター(渋川市北橘町下箱田779)の再整備に向け、マスタープラン策定を900万円で実施する。