秋田地域振興局建設部は、五城目町の内川川で行う捷水路(ショートカット)の設計業務を公告、21日に開札する予定。設計延長は800m。合わせて旧川処理の対策工概略設計や、新設河川の両側に整備する護岸の設計、捷水路により分断される橋梁や取付道路、利水施設の代替などを検討する付帯施設設計も行う。
計画は、昨年7月の大雨を踏まえた「馬場目川水系の水災害対策プロジェクト」に位置づけ行われるもの。プロジェクトは、昨年7月からの大雨で水系内の5河川が氾濫したことを踏まえ、県や市町村が連携して策定。同規模の大雨による浸水被害を大幅に軽減するため、14年度までに対策を実施する。
過去最高水位を観測した本川の馬場目川、4年8月に続き2年連続で被災した馬場目川支川の内川川および富津内川はプロジェクトにおいて、「氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策」に位置づけられ、早急な河川改修により家屋浸水被害の解消を図ることとなっている。
馬場目川、内川川、富津内川の改良は現行の河川整備計画に盛り込まれておらず、県単で事業が進められているため、現在はこれらを圏域の河川整備計画に位置づける作業を洪水量評価・洪水痕跡調査業務(パシフィックコンサルタンツ)で進めている。
計画によると、内川川(湯ノ又工区)では内川湯ノ又地区の集落を迂回して避けるイメージで河川をバイパス化し、ショートカットさせる。今回、公告した設計業務では800mの捷水路設計のほか、対策工概略設計(旧川処理の埋立範囲、支川流量の流下断面、渇水期に正常な流量を確保するための対策工検討)を実施。合わせて排水施設の設計や、捷水路により分断される橋梁、取付道路、利水施設などの設計もまとめる。今後は、詳細設計に必要な地質調査も契約する予定。
内川川と同様、馬場目川の支川となっている富津内川では、内川川との合流点下流にある下山内地区が浸水しないよう輪中堤を整備する計画で、年度内に設計業務を公告・契約したい考え。
提供/秋田建設工業新聞