建通新聞社(中部)
2024/01/25
【三重】県 移住拡大へお試し住宅改修を補助
三重県は、人口減少対策の一環で県外移住者の受け入れ体制を整えるため、お試し住宅や空き家の改修費補助などに力を入れる。移住を希望する需要に対し、住まいの供給が追いついていないという市町からの声や改修費などがネックとなっている状況を打開するための一手として2024年度に支援の創設、拡充を行う。
お試し住宅は、県内10市町で18軒が整備されている(1月現在)。これまでの利用実績(19〜21年度)は65件で、21・5%に当たる14件の移住が実現した。一方の空き家に関しては、空き家バンクは全市町で整備されているが、登録件数は県内空き家戸数約13万件中451件(登録率0・3%)となっている。
市町へヒアリングしたところ、お試し住宅のニーズに対し改修や不要品撤去費用がネックとなっているとの声がある。空き家も所有者意思の確認や家財撤去費用などの問題から活用が進んでいないとの回答があった。移住者の需要に対する住まいの供給が追いついていない現状から、県のバックアップが求められている。
こうしたことを背景に24年度から3年間新たにお試し住宅に関する市町への補助を創設する。住宅を整備する際の改修費、不要品処分費・備品リース代、利用料などに対し、経費の2分の1を補助する。上限額は150万円で、年間最大10市町に交付する。また、南部地域振興局で移住体験に使える地域活性化のための施設(店舗などの非住宅)リフォーム補助として2件50万円分を付ける。
空き家対策は、これまでも空き家対策総合支援事業で補助を行っているが、移住者の自己負担を減らせるように補助を拡大する。最大150万円の改修費に対して100万円を国・県・市町が負担している。これに県単独事業で25万円を上乗せ、個人負担50万円から25万円の支出まで軽減させる。県土整備部で通常分として56件1400万円に加えて、この支援には16件400万円分を想定し上乗せする。
お試し住宅とは、三重県への移住を検討する人が生活を体験するために利用してもらう住宅。移住後の生活環境や暮らしをイメージしやすく、住宅、仕事を探す拠点として効果がある。利用料は月額1万〜2万円程度。
提供:建通新聞社