馳浩知事は25日、会見を開き、令和6年能登半島地震により孤立状態にある輪島市の県道輪島浦上線(県道38号線)沿いの集落への交通アクセスを早期に確保するため、内陸側からの別ルートでの道路啓開「くしの歯作戦」を進めており、開通までに数カ月を要するとの見通しを示した。
能登半島地震では、のと里山海道をはじめとする42路線87カ所が通行止め(1月4日午前8時時点)となった。発災後、県では国や自衛隊と連携しながら奥能登2市2町(輪島、珠洲、穴水、能登)の市役所、町役場へ通じる主要幹線道路の啓開、強化(余震・大雪対応、2車線確保、段差解消)のほか、孤立した集落への道路啓開に取り組んでいる。このうち被害が大きい国道249号、のと里山海道、能越自動車道の県管理区間は直轄権限で国が代行施工する。
県が担当する県道輪島浦上線は、道路の一部区間が下の斜面に落下し、同市鵜入、小池町、赤崎町、上大沢町といった集落が孤立。発災前の形での復旧には数年単位の期間が必要という。このため県では内陸にある市道や林道からの「くしの歯作戦」による道路啓開で、住民の自動車による集落への帰還を数カ月で実現させたい考えだ。
この日、馳知事は「幹線道路から生活道路まで早期復旧に全力で取り組む」と決意を表明した。