県河川砂防課は、太平川の河川激甚災害対策特別緊急事業の延長約4,600mを下流区間(旭川合流点〜JR奥羽本線〔才八橋付近〕)の延長約2,250m、上流区間(JR奥羽本線〜桜大橋付近)の延長約2,200mに分け、4月に下流区間を公告する。仮契約、6月議会での議決を経て本契約し、9年度末までかけて整備する。上流側は7年4月に公告し、10年度末までに整備する。工事では河道掘削、覆土式護岸、鋼矢板基礎工などを実施する。
昨年7月の大雨被害を踏まえ、県は太平川の河川改修を短期集中的に行うこととし、旭川合流点(秋田市茨島)〜横山金足線の桜大橋付近(同桜)までの約4,600mが昨年11月30日、河川激甚災害対策特別緊急事業として採択されている。事業費は195億円、事業期間は10年度まで。
計画によると、激特の計画延長約4,600mのうち下流区間を約2,250m、上流区間を約2,200mとする。計画全体と上・下流の工事区間の合計には150mの誤差があるが、橋梁ですでに完成形になっているものを除いているため。下流側には太平大橋や愛宕下橋、百石橋、上流側には才八橋、横森橋、二つ屋橋、桜大橋がある。
昨年11月には地質調査を4件に分け、基礎工学、加賀伊ボーリング、秋田ボーリング、伊藤地質調査事務所に委託。工事では河道掘削、覆土式護岸、鋼矢板基礎工事を、沿川に植えられている桜への影響に配慮しながら施工する。工期は下流側が7月頃から10年3月、上流側(7年4月公告予定)が7年7月頃から11年3月を予定している。
なお、県はさらに上流の延長約2,800m(桜大橋付近〜新竹生橋付近)でも同様の河道掘削や護岸工を計画している。
秋田市の中心部を東から西に流れる太平川は、両岸に住宅や商業施設が密集しており、昨年7月の大雨では河川に加え、内水も氾濫したことで甚大な被害が発生した。もともと、太平川の河川改修計画は旭川合流点〜新竹生橋までの約7.4kmを対象に勧められていたが、県は今回の被害を踏まえ、10年度の完了を目指し集中的に河川改修を行う方針をとった。
提供/秋田建設工業新聞社