若松二丁目住宅マンション建替組合は、20日の設立総会を経て施工者の選定を進め、1期工事として住戸数1006戸、延べ床面積8万3208・43uのマンション3棟の建て替えに着手する。9月から2025年5月まで解体・除却工事を行い、6月に本体工事に着手し、28年2月の完成を目指す。設計者は樺キ谷工コーポレーション。
若松二丁目住宅は、若松2―5ほかに所在する、48棟、総住戸数1334戸の賃貸・分譲併存の団地型マンション。敷地面積は4万2294・88u。
このうち、南側の分譲マンションはRC造5階建て、16棟、住戸数576戸、延べ床面積3万142・55u。1969年の竣工で、建物の老朽化が激しく、2020年1月から22年10月までにガス漏れ事故35件、漏水事故30件などが発生。また、全棟にエレベーターがなく、住戸内部に段差があり、共有・専有部分ともにバリアフリーに対応していないことから、建て替えにより改善を図る。
23年12月26日には、船橋市から建替組合の設立が認可された。
建て替え後の建物概要は▽A棟=RC造12階建て、住戸数334戸、建築面積4467・17u、延べ床面積2万5728・85u、高さ35・29m▽B棟=RC造15階建て、住戸数498戸、建築面積5464・42u、延べ床面積4万1022・54u、高さ44・25m▽C棟=RC造15階建て、住戸数174戸、建築面積2803・88u、延べ床面積1万6457・04u、高さ44・25m。
また、エレベーター9基、自走式駐車場3基477台、自転車置き場2018台、バイク置き場72台を設けるほか、敷地東側に共用施設棟を整備する計画だ。
総合設計制度を活用し、敷地外周部に歩道状空き地や広場状空き地を配置。緑化の充実を図ることで、安全で緑豊かな歩行空間と潤いある広場を整備する。敷地内を通り抜けられる貫通通路を配置し、周辺住民の歩行動線に配慮する。
資金計画では、支出金391億4800万円を見込んでいる。内訳は、調査設計計画費9億4000万円、土地整備費等14億円、工事費243億円、事務費等3億9000万円、借入金利息2億5000万円、借入金支出118億6800万円。
建て替え事業は、国土交通省の「マンションストック長寿命化等モデル事業」において、20年度に計画支援型、22年度に工事支援型(建替工事)に選定された。提案者は、計画支援型がNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES、工事支援型が野村不動産。提案内容は「賃貸・分譲併存の大規模団地における敷地分割による建て替え」だった。