備前市は、地域交流センターなどの機能を備えた新しい図書館の建設工事に2024年度から着手する。建築主体工事は、特定建設工事共同企業体(JV)による一般競争入札が早ければ5月下旬にも公告されるもよう。2024年度当初予算案に工事費を計上する予定。工期は24〜25年度の2カ年継続で、25年度中の完成を目指す。JV構成数や設備工事と別途で発注するかどうかは未定。
新施設の規模は鉄筋コンクリート一部鉄骨造3階建て延べ約3472平方bで、耐震壁付ラーメン構造。「海の見える図書館」をコンセプトに、敷地南端に建物を配置。1階に地域交流センターと観光交流機能をゾーニングし、一般・児童開架エリアを置く2〜3階からは瀬戸内海を望むことができる。1階に設けるホールは、ロールバックチェア132席、スタッキングチェア170席の計302席の客席形式で、舞台は電動式収納ステージ。普段は椅子を収納し、間仕切りをつけるなど多目的に利用できるようにする。図書館の蔵書数は貸し出しが可能な開架冊数12万冊、倉庫に収納する閉架冊数6万冊で計18万冊に対応できるようにする。
建物の西側にはサイクリングターミナルを配置する。片鉄ロマン街道の起点として、シャワー室などを含む休憩所や観光案内の機能を備える。現在、西片上1011ノ3にある備前市サイクリングターミナルはトイレ以外の機能がなく、新図書館整備後に残すかどうかについて検討中。
建設地は西片上51ノ4他。敷地面積は片上鉄道跡地を除いて4136平方b。備前市民センター(西片上17ノ2)の西側で、現在は更地の状態。駐輪台数は30台、駐車台数は37台を想定している。さまざまな施設利用者が同じ駐輪・駐車場を使用するため、今後台数は増える可能性がある。
外装材には備前市に伝わる特長的な耐火れんがや備前焼などの活用を検討しており、備前市らしさを取り入れて市民に長く愛される施設となることを目指す。
現在の図書館は備前市民センターの3階に位置しており、延べ床面積が320平方bほどで他の市の10分の1程度の規模でしかない。建築年数も50年近くが経過しており、地元からの要望もあったため新図書館を整備することとなった。
16年度ごろから構想や計画の策定に着手しており、基本・実施設計は岡田新一設計事務所(東京都文京区)が担当。基本設計は完了しており、現在は23年度末までの履行期間で実施設計を進めている。
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提供:建通新聞社」