高知市は、六泉寺町市営住宅などの再編基本計画策定と民間活力導入可能性調査の委託者を公募型プロポーザル方式で審査した結果、地域計画建築研究所(京都市下京区)を選定した。プロポーザルには同社のみが参加し、550点満点中、388点を得た。
老朽化が進む六泉寺町市営住宅と北百石町市営住宅、丸池町市営住宅を再編し、六泉寺町市営住宅の敷地に統合し建て替える。しかし、六泉寺町市営住宅は津波浸水想定区域内にあることに加え、現入居者の大半が単身高齢者であり、建て替えに当たり移転や住み替えの負担を軽減する必要がある。そのため、これらの課題を踏まえ、統合建て替えにより多様な世代が安全・安心に暮らせる住宅となるような基本計画を策定する他、PPP/PFIを視野に入れた整備手法、余剰地の利活用への民間活力導入の可否を判断するための調査・検討を行う。
具体的には、戸数や住戸タイプ・配分計画、平面プランや福祉施設などの併設、集会所などの共同施設の整備計画、津波浸水などの防災対策、工区分けや移転・住み替えの計画などを検討する。余剰地活用の方針については、売却を基本としながら貸し付けも含め検討する。これらの結果を踏まえ、民間活力導入可能性調査を行う。
さらに空間構成や住棟・住戸などの配置計画、ライフサイクルコストを含む概算事業費、事業スケジュールなどをまとめ、建て替え基本計画を3案程度作成した後、これらを比較検討し、最適な計画を策定する。
調査に向けては、サウンディング型市場調査を2回以上実施し、参加事業者や参入の可能性が高い事業者を対象とする個別ヒアリングも行う。また現入居者や地域との意見交換会も実施する。
委託期間は12月20日まで。2025年度の設計着手を目指す。
現在の六泉寺町市営住宅は、1966〜73年度に建設された簡易耐火構造2階建てが18棟、100戸と耐火構造2〜4階建てが16棟、312戸ある。建設当時の設備を使用し老朽化が進み、バリアフリー化もされておらず、旧耐震基準で耐震性が不足している恐れもある。また北百石町市営住宅は57年建設で18戸、丸池町市営住宅は70年建設で38戸ある。
提供:建通新聞社