横浜市水道局は、馬入川系統の廃止に伴う工業用水道の整備に470億円の事業費が掛かると試算した。順調にいけば、施設整備計画を2025年度にも策定し、設計に着手。27年度にも工事を開始する計画だ。40年度をめどに廃止する方針。
工業用水道は、相模川上流の沼本ダムから取水する相模湖系統と、同下流の寒川取水堰から取水する馬入川系統がある。このうち、馬入川系統は、小雀浄水場内にある工水小雀沈殿池を経由して、戸塚・栄方面と中・磯子方面に供給する。
馬入川系統は1960年代に築造した。今後、更新に莫大な事業費を要することに加え、工業用水の需要は将来的に減少すると推測。本系統を廃止して相模湖系統に統合することとした。
馬入川系統で給水するエリアには、相模湖系統の鶴ケ峰沈殿池を起点とする新たな送水管を整備して対応する。
今後、工水を利用する67事業者(2023年12月21日現在)と協議を行った上で必要な供給量を整理し、送水管のルートや管種、口径などをまとめた施設整備計画を早ければ25年度に策定する。設計・工事を経て、40年度をめどに廃止する。
廃止後、使用しない工水小雀沈殿池以東の管路は撤去または、充填(じゅうてん)して廃止する。管路の規模などは次の通り(@管種A口径B延長C想定する処理方法)。
▽小雀沈殿池〜1号ずい道―@鋼管A1200_B4・9`C撤去
▽1号隧道―@2b×2bの馬蹄(ばてい)型B3・7`C廃止(充填)
▽1号出口〜押込ずい道―@鋼管A1500_B1・2`C撤去
▽押込ずい道―@鋼管A1500_B0・6`C廃止(充填)
▽押込ずい道出口〜2号入口―@鋼管A1500_B0・7`C撤去
▽2号ずい道―@2b×2bの馬蹄型B1・9`C廃止(充填)
▽2号出口〜杉田線―@鋼管A1500_、1000_B0・2`、0・1`C撤去
提供:建通新聞社