馳浩知事は10日開いた記者会見で、令和6年能登半島地震の対策費として国に対し補正予算の編成を要望する方針を示した。その規模は数兆円に上るという。
補正予算は被災地域の交通アクセスの脆弱さや高齢化率の高さを踏まえ、今後2カ月以内での編成を求めた。
また被災地の復興に当たっては現状復旧に留まらない「創造的復興」を目指すとした。テーマとして(1)世界農業遺産ブランドを十分に踏まえた復興(2)地元に暮らし、地域の伝統や文化を伝える人々の思いを込めたSDGsの発想を取り入れた復興―の2点を掲げ、その例として従来の上水道と自立型の水環境を組み合わせた水道設備の復興を提案した。
現在4市町で整備準備中の仮設住宅について、生活に最低限必要な居住区域に加え集会所や公園なども取り入れた、従来の規格にとらわれない住宅の必要性を訴えた。
3月16日に予定する北陸新幹線の県内全線開業の日程については変更はないとし、今後も人の交流は絶やさない意思を示した。
のと里山海道の復旧作業について会見に同席した鈴見裕司土木部長は、現在1車線での通行再開を当座の目標に昼夜問わず作業中であり、復旧メドについては未定とした。
13日に岸田文雄首相が被災地視察を行うことも報告。視察には馳知事と西垣淳子副知事が同行すると伝えた。
会見では冒頭、地震の犠牲者へ1分間の黙祷が捧げられた。
「建設業者に感謝」/鈴見土木部長、災害対応で
馳知事の記者会見に同席した鈴見裕司土木部長は会見後、本紙の取材に応じ、令和6年能登半島地震の災害対応に取り組む建設業者に向けて、「懸命の復旧作業にあたっていただいている。本当にありがたい」とのメッセージを寄せた。