富山生コンクリート協同組合(濱田一夫理事長、11社8工場)は、このほど開いた緊急臨時理事会において、富山地区の生コンクリート価格を、1立方メートル当たりで1000円値上げし、「2万1000円」(21−18−25N)とすることを決定した。骨材価格が来年4月から3年連続で値上げされるのを控え、同4月1日以降の出荷分から適用していく。
同協組の生コン価格の値上げは、これまで「契約ベース」で行ってきたが、今回は「出荷ベース」で行うこととし、来年4月1日以降からの出荷分については、既契約分も含めてすべて新価格の対象となる。
協組では、値上げまでの限られた時間内で需要家に十分説明し、理解と協力が得られるよう準備したいとしている。
生コン価格は、これまでもロシアのウクライナ侵攻に伴うセメント価格の高騰、陸砂利採取の規制強化による骨材資源のひっ迫化のあおりを受け、県内でも数次にわたって値上げが行われており、全国的には2万円台半ばから後半の価格が散見されるなど極めて高い水準で推移している。
富山生コンクリート協同組合では、度重なる原材料価格の上昇に際し、必要最小限の値上げを行うことで対応してきたが、3年連続となる骨材価格の値上げという事態に当たっては組合内部での吸収も難しく、今回の値上げに至ったとする。
また、今回の値上げに際しては、公共単価への反映を早くするため、出荷ベースで行うことにしており、すでに契約しているものについても4月1日以降の出荷分は、新価格の適用になるよう需要家に説明していきたいとしている。
濱田理事長は、「3年連続の骨材価格値上げという事態が理由とは言え、毎年毎年生コンの価格を値上げしなくてはならないことは大変心苦しく、需要家の皆様にもご迷惑をお掛けし、申し訳なく思います。ただ、そうしなければ、我々生コン業者が潰れていかざるを得ず、そうなってしまえば、地区内に生コンを供給することもできず、公共事業等にも支障が生じ、ひいては社会資本の整備充実という大命題が揺るぎかねない。諸物価高騰の折、誠に心苦しい次第ですが、どうかご理解とご協力を賜りたい」と話している。