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建通新聞社(神奈川)
2023/12/22

【神奈川】横浜市 図書館は現地建替基本、移転も視野

 横浜市は、10〜20年後の図書館の将来像を示す「図書館ビジョン」の素案を公表した。老朽化が進む施設について、現地での建て替えやリノベーションを基本としつつも、より利便性が高い主要駅周辺などへ移転、それに伴う他施設との複合化を選択肢に含むとの方針を盛り込んだ。建て替え後の規模は、立地特性などを踏まえて最適化する。
 近年、図書館は、本を通した学習のみならず、くつろぎや交流、にぎわいの空間としての機能も求められ、役割が多様化している。将来的にこうした機能を取り込んだ施設として再整備するに当たって、ハード・ソフト両面の考え方をまとめ、図書館ビジョンを示すこととした。
 横浜市には、18区に1館ずつ図書館が立つ。このうち、竣工から40年が経過する施設が、▽鶴見▽保土ケ谷▽金沢▽港北▽山内▽戸塚―の6館あり、建て替えの検討を開始するべき時期が近付く。
 建て替え初弾となる予定の鶴見図書館は、豊岡小学校を建て替えて建設する複合施設に入居し、より駅に近い場所に移る見込みだ。この他の図書館でも、主要駅の開発や市街地再開発事業などの機会を捉え、移転を検討する。
 建て替えなどに当たっては、立地特性を踏まえ規模を最適化する。既存図書館の延べ床面積は、1500〜3500平方b程度(中央図書館を除く)で、来館者数に対し手狭になっている場合もある。一人一人がくつろいで過ごせることができるよう、来館者一人当たりの延べ床面積を増加することも検討する。
 館数は、これまで通り1区1館を基本とする。市会常任委員会では、市民のニーズに応じて柔軟に整備するべきではないかという意見があったものの、従前の方針にとどめた。代わりに、図書館以外で本を貸し借りできるサービスポイントを、地区センターなどを活用して拡充するという。
 2024年1月21日まで、素案に対する市民意見を募集する。結果を踏まえ、3月に原案を策定する予定だ。

提供:建通新聞社