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建設経済新聞社
2023/12/22

【京都】向日町競輪場基本構想最終案 令和6年度からの整備着手も検討 令和11年度にリニューアルオープン

 京都府はこのほど、向日町競輪場基本構想の最終案をまとめ明らかにした。
 競輪事業の継続に必要な施設の再整備を実施するために同構想をとりまとめた。
 再整備後の新たな競輪場のコンセプトは「自転車(サイクル)を通じて、交流・賑わいが循環(サイクル)する競輪場」と設定。
 主な内容は、@安全・快適で、コンパクトな競輪場を目指す(▽来場者・利用者の安全性が確保された安心・安全な競輪場▽バリアフリー対応、映像提供・空調設備などが整備された快適な競輪場▽バンク、選手宿舎などが機能強化された競技環境が整った競輪場▽来場者数を踏まえた施設・機能の集約化が図られたコンパクトな競輪場)A自転車競技関係者や自転車愛好家が集う競輪場(▽高校生、大学生などの競技会の開催や合宿・練習の実施など、自転車競技の振興や人材育成の場としての競輪場▽バンク走行体験、子ども向け自転車競技会、サイクルイベントの開催など、自転車に親しむ機会が提供され、自転車愛好家が集う場としての競輪場)B地域と共生する競輪場(▽近畿高等学校自転車競技大会など大規模な競技会、サイクルフェスタなど自転車関係イベントやKARA−1グランプリなど地域イベントの開催により、周辺住民をはじめ多くの府民が来場する競輪場▽集約化に伴い生じる余剰スペースが、その立地の良さを活かし、スポーツ活動・防災の拠点などとして整備されることで、地域の交流・賑わいの拠点となる競輪場)。
 再整備コンセプトを踏まえ、競輪場敷地全体を「エントランスゾーン」「管理・運営ゾーン」「観戦・投票ゾーン」及び「交流・賑わいゾーン」にゾーニングをした上で、各ゾーンにまたがって点在する老朽化が著しい施設を除却し、競輪場敷地内の全面的な再整備を実施する。バンクやスタンドなど競輪事業の継続に必要な施設・機能については、今後の車券売上・収支、来場者数の見通しや他の競輪場の事例等を踏まえ、集約化を行った上で、「管理・運営ゾーン」及び「観戦・投票ゾーン」に集中的に配置する。
 競輪事業の継続に必要な施設の配置を行わない余剰スペースについては、「交流・賑わいゾーン」として整備を実施する。
 平均来場者数の実績を基に、観戦・投票施設であるスタンド及び場外発売時車券投票所で受け入れる来場者数(施設収容人数)をそれぞれ1000人、500人程度、観客席数をそれぞれ、500席、100席程度に設定する。
 主要施設の再整備では、バンクは大規模改修し、選手宿舎は新築して個室化や女子選手対応設備の整備を行う。スタンドは、複数の建物に分散していた観客席などの集約、来場者数を踏まえた適正な規模への見直しの上、新築する。場外発売時車券投票所は、他の競輪場で開催されている競輪の車券発売のための施設をスタンドとは別に、スタンドに近接する位置に新築することにより、広範囲に分散していた投票施設を集約。場外発売時の開放エリアを限定することで運営コストの削減を図る。
 想定事業費は、現時点で70〜80億円程度と想定するが、引き続き精査を行う。再整備にあたり、施設整備基金などを可能な限り活用するとともに、資金調達能力や豊富な経営ノウハウなど民間事業者の強みの活用なども検討する。
 スケジュールは、令和10年度までを再整備期間とし、令和11年度にリニューアルオープンを想定する。既存施設の解体工事終了後、埋蔵文化財調査を実施し、その後各種の建築工事に着手。中央スタンドを解体するまでに場外発売時車券投票所を新築し、場外発売を継続。再整備期間は、他の競輪場を借り上げて競輪を開催する。全面的な再整備で、解体工事及び埋蔵文化財調査などに時間を要することが想定されるため、令和6年度からの整備着手も検討し、早期の完成を目指す。