神奈川県横須賀土木事務所は、都市計画道路西海岸線の未整備区間2・5`に整備する2橋梁(約600bと約70b)のうち、約600bの橋梁形式を4径間連続PC箱桁橋とする計画だ。2024年度中旬をめどに八千代エンジニヤリング(東京都台東区)が詳細設計をまとめる。9月下旬から10月初旬にかけて実施した地域説明会によると、橋梁形式はまだ確定した訳ではなく、変更する可能性もあるという。今後のスケジュールとしては、12月に用地測量の説明会を行い、その後測量を実施。24年度には用地補償についての協議に着手し、埋蔵文化財調査を行うが、発掘調査などに時間がかかると想定している。
西海岸線は、京急三崎口駅付近〜三崎港を結ぶ延長約5・6`の都市計画道路。このうち、南側の県道216号線〜三崎港(延長約3・1`)は開通済み。京急三崎口駅付近〜県道216号線の未整備区間の延長2・5`では、国道134号との交差部をアンダーパスとし、谷を越える箇所には橋長約70bの橋梁を、小網代湾を越える箇所には橋長約600bの橋梁を架設する。
道路の幅員は17・5bで構成は車道が3・25b×2、自転車歩行車道が4b×2、路肩が0・5b×2、中央のゼブラ帯が2b。橋梁の幅員は15・5b(道路幅員からゼブラ帯を除く構成)。
未整備区間の整備に向け、まずは必要となる用地の取得を進めるため、23年度は三崎町小網代〜初声町下宮田の測量を実施する。
橋長約600bの橋梁は小網代湾に架かる橋梁で、橋脚を2基を小網代湾内に整備する予定。海面からの高さは約30bを見込んでいる。これまでに小網代湾周辺の動植物や潮流調査、水質調査などを実施し、周辺環境を把握。橋梁形式の選定に当たっては、環境や景観との調和、建設コストの抑制などに配慮して検討してきた。三浦市の新たなシンボルとなるような橋梁として、色彩やデザインなどを具体化する。橋長約70bの橋梁については、今後詳細設計を委託する。
国道134号との交差部に新設するアンダーパスについては、予備設計、詳細設計ともに大日本コンサルタント(東京都千代田区)が担当。整備予定地の近隣に埋蔵文化財包蔵地があるため、遺跡が埋まっている可能性を踏まえ埋蔵物の試掘調査を行う必要がでてきそうだ。現段階では、同路線の整備に関する着工時期や完成予定などのスケジュールは固まっていない。
西海岸線の整備効果としては、国道134号「引橋交差点」などの渋滞緩和が挙げられている。また防災面では、被災時の物資受入れ港に指定されている三浦漁港からの陸上輸送力の強化につながり、城ケ崎・三崎地域への新たな観光ルートとしても期待されている。
提供:建通新聞社