川崎市は、民間活力導入の可能性を検討していた幸市民館・図書館の改修について事業者と対話を行った結果、従来手法で発注する方向性を固めた。設計、工事、維持管理、運営を一括して発注するPFI(RO)方式などを想定していたが、改修であることや事業規模が小さいことなどから民間活用の効果が見込めないとした。2024年度に基本計画を取りまとめ、同年度内に設計の発注を目指す。
幸市民館・図書館は鉄筋コンクリート一部鉄骨造地下1階地上3階建て延べ6092平方b。完成から40年以上が経過し老朽化が進んでいることに加え、バリアフリーや特定天井対策なども課題となっている。
PPPプラットフォーム意見交換会で示した改修の方向性には、老朽化した空調・給排水・照明・建具・内装・舞台設備の改修、バリアフリーへの対応、諸室の規模の適正化や多機能化などを挙げた。防災・BCP対策に向けては、地下にある設備の浸水対策、ホールの特定天井対策も求められるとした。
意見交換会には9者が参加し、民間活用の可能性や参画の意向などについて対話した。改修である点や事業規模を考慮すると従来手法が望ましいという意見や、改築と比べると事業者の工夫が発揮できる範囲が限定されるという指摘があった。また、SPCの設立は参画のハードルが高い、図書館の運営が可能な会社と組めるがどうかが課題だと考える事業者もいた。
基本計画の策定は青木茂建築工房(福岡市中央区)が担当。24年度内に計画をまとめる。施設の管理・運営については改修工事の完了後に指定管理者を導入する。
幸市民館・図書館の所在地は幸区戸手本町1ノ11ノ2。
提供:建通新聞社