匝瑳市は、銚子連絡道路(仮称)八日市場インターチェンジ(IC)周辺地区約20haへの産業用地整備に向けた検討を進めている。事業主体は、民間開発事業者との官民共同事業を想定。官民連携で企業誘致を実施するとともに、市が権利関係者への説明、行政手続きの対応など、また民間開発事業者が調査、設計、土地の造成・分譲などを行う。2028年度までの造成工事完了を目指し、24年度以降、産業用地整備推進事業の計画作成、具体的な事業手法の検討、都市計画手続きの関係機関協議、事業化検討パートナーの公募などを進めていく。
民間開発事業者は、技術的能力、企業誘致ノウハウ、資金負担能力を有する、不動産事業・建設事業などを営む企業。立地が期待される業種は、成田国際空港への近接性を生かした先端技術分野企業、食料品製造業、県内製造業(拡張需要)など。
6月に実施した民間開発事業者10社(ゼネコン7社、デベロッパー3社)に対する意向調査では、産業用地整備に前向きな回答を行ったゼネコン6社、デベロッパー2社に対し、ヒアリング調査を実施。事業参画に際しては「立地企業のめどが立っている」「地権者の意向がまとまっている」「農用地区域に含まれる農地の除外手続きと農地転用の協議のめどが立っている」「事業採算が確保できる」などを重視するとした。
6〜7月には、独自に抽出した企業2107社および、市内または近隣工業団地に立地している企業203社に対し、ニーズ調査を実施。「八日市場IC周辺が進出の検討の対象になるか」を問う項目において「検討の対象となる」「どちらともいえない」とした製造業・運輸業・卸売業のうち、新設・移設する地域に「関東を含む」などと回答した10社にヒアリングを実施。4社(食料品製造業、水産加工業、食肉加工業、電気機器製造業)から、改めて「検討の対象となる」との回答が寄せられた。
産業用地整備推進事業は、宮内康幸市長が掲げる「7つの重点施策」の1つ。銚子連絡道路2期区間と首都圏中央連絡自動車道大栄ジャンクション・松尾横芝IC区間の開通、成田国際空港のさらなる機能強化などを見据え、銚子連絡道路2期区間終点部の(仮称)八日市場IC周辺に産業用地を整備し、地域の活性化につなげる。
今後は、11月下旬に配布した(仮称)八日市場IC周辺半径約500m内の農地所有者の意見・要望などを確認するためのアンケートを年内に回収し、24年3月頃に2回目の住民説明会を開催する予定。