白川町が進める「白川町新庁舎整備工事」の再入札手続きが12月5日、不調になった。2回目の入札には3者の参加があったが、資材や人件費の高騰と予定価格との乖離を原因として、採算面を理由に辞退している。
町は今後の再々公告については事業範囲や予定価格、設計の見直しを進める予定だが、今のところ公告時期などの詳細は未定だ。本紙では、2度までも不調が続く異常事態を受け、その原因を探った。
同町の新庁舎整備事業は現庁舎(河岐715)が老朽化や耐震性不足、土砂災害警戒区域内に所在しているなどの問題を抱えていることから、2015年度から本格的な検討を開始。17年度には庁舎整備検討委員会を設立したが、同時期に行っていた小中学校統廃合を優先的に実施していたため事業着手に遅れが生じていた。
その後、20年度に事業化の目途が立ったため、協議を再開。庁舎整備予定地を河岐地内の民有地に決定した。21年度には庁舎整備基本計画・設計を石本建築事務所名古屋オフィス(名古屋市中区)に委託。22年2月に基本計画策定、同年9月に基本設計策定、23年9月に実施設計が完了。庁舎の開庁時期は25年5月を予定していた。
1回目の庁舎建設工事は、23年7月に予定価格を16億9730万円(税込)に設定し、公募型指名競争入札で公告。9月の入札を予定していたが、入札に参加した指名業者2JVからの辞退により不落となった。
町はその後、工期を25年6月末に、開庁予定時期を25年秋に変更した他、入札方法を公募型指名競争入札から一般競争入札に、参加資格を2または3者JVから単体での参加が可能にした。この他、外構工事を別途発注に変更し、予定価格を16億2470万円(税込)に見直した上で、10月に再公告。12月の入札を予定していた。
実施設計で想定している庁舎の規模は2階建て延べ2607平方b。1階が鉄筋コンクリート造、2階が木一部鉄筋コンクリート造。建築面積は1598平方b。
度重なる不調の原因について、町は社会情勢の変化による人件費や物価上昇の影響で、予定価格と実際の工事費が釣り合わない状況となっていると分析している。(つづく)
提供:建通新聞社