滋賀県は、計画している大津市にある衛生科学センターの移転整備事業について、整備・運営事業に係る官民連携(PPP/PFI)手法導入可能性調査の中間結果を報告。従来型手法との比較・県内業者の参画意向を踏まえると、PFIによるBT方式またはDB方式の導入による整備が優位と示した。
また、建設業者11社(未回答5社)、設計・機器調達事業者等16社に対し参入意欲調査を実施したところ、現時点で確認できている内容として、参入意欲有りとの回答が11社あり、希望する事業手法は従来型手法が2社、PPP/PFI手法が6社(その他は未回答)となった。
今後のスケジュールは、現在進めている来年度当初予算編成過程においてPPP/PFI手法導入の適否を決定し、2月定例県議会に最終報告書案を報告する予定。
同センターは、細菌・ウイルスなど感染症行政検査や、食中毒・水道水質分析などを行う県唯一の地方衛生研究所。現庁舎は旧館が昭和45年、新館が昭和50年に整備されており、老朽化が著しいことに加え、県県有施設更新・改修方針において「更新事業予定施設」に位置付けられていることから事業化。
整備内容は、基本コンセプトは、健康危機管理事案に最先端の知見で迅速に対応できる地域に開かれたセンターとし、移転地は旧長浜北高校跡地や旧近江学園跡地等、全県から候補となる県有地を検討した結果、周辺に病院等が多いことやアクセスに優れているなどの理由から、びわこ文化公園都市の属する草津市笠山にある旧歯科技工専門学校敷地に選定した。
現段階の配置計画は、学校敷地3380平方b内に、5階建、延約3800平方bの施設を新棟と付属棟に分けて配置する。その他南側に駐車場を、東側には廃液処理装置スペースを確保し、新棟へのアプローチは北側からとし、敷地の有効活用を図る。各階のゾーニングは、1階は事務や重量の重い機器を設置する放射能測定エリアに、2階は1階との連携が必要な理科学系を、3・4階に微生物係を配置予定。5階は動物舎を設ける考えだ。
事業費は、25億9000万円を予定。項目別に見ると、基本計画・調査等委託費に6000万円程度、建設設計・監理費に約2億円、建設工事費に23億3000万円程度(既存センター解体工事費2億円程度を含む)を見込んでいる(研究実験機器や移設に係る経費は別途)。
事業スケジュールは、今年度に整備・運営事業に係る官民連携(PPP/PFI)手法導入可能性調査を実施し、24年度(令和6年度)に実施方針策定・入札・契約関連事務を進める。25年度(令和7年度)に実施設計を行い、26年度(令和8年度)に工事、27年度(令和9年度)からの供用開始を目指していく。
なお、BT方式・DB方式とも業務範囲は設計、建設工事、解体撤去工事で、事業期間は約2・5年。費用支払いのみBT方式が建築物の引き渡し時に一括、DB方式が分割払いも可となっている。
提供:滋賀産業新聞