トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊建設工業新聞
2023/12/14

【鳥取】気候変動を踏まえ見直しへ/鳥取沿岸海岸保全計画/25年度までに改定

 海面上昇など世界的な気候変動を踏まえ、県は12日、鳥取沿岸の海岸保全計画(20年3月)を見直す技術検討会(会長・黒岩正光鳥取大学工学部教授)を立ち上げた。気候変動による潮位の上昇幅などを予測し、2025年度までに必要な対策を計画に盛り込む。
 鳥取沿岸は延長130`。うち6割を砂浜海岸が占め、冬季風浪の影響を受けて海岸の侵食が著しい。また、離岸堤などの海岸保全施設は1980年代に建設されたものが多く、急速な老朽化が見込まれている。
 検討会の初会合では、過去データをもとに海面の高さを確認し、台風の影響を受けて夏季に潮位が上がることや、冬季に潮位が下がることが報告された。潮位の変動幅は40a。
 事務局の県河川課は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)評価報告書などを裏付けに、将来的に予測される海面水位の上限値56aとする案を提案した。
 また、潮位が最高になるのは台風に起因しており、モデル台風を対象にしたシミュレーションの実施手法を示した。
 各委員は、夏季と冬季の平均潮位の計測を整理するよう求めたほか、沿岸地盤が低下している傾向を踏まえた潮位の変化も考慮すべきといった意見を寄せた。
 今後のスケジュールは、来年度にかけて潮位予測やシミュレーションモデルの検討をさらに深めた後、計画高潮位などの防護水準を設定。パブリックコメントを経て25年度に計画を変更する。

日刊建設工業新聞