廣瀬(新潟市西区善久823番地 廣瀬徳男代表取締役)は8日、油圧ショベルを遠隔操作するシステムの体験会を開催した。
建設業の人出不足解消やさらなる生産性向上を図るのが狙い。北陸地方整備局、県の関係者ら約50人が視察に訪れた。廣瀬は直轄工事で建設機械大手のコマツとEARTHBRAIN(アースブレイン、東京都港区)が共同で開発を進めている遠隔操作システムにより、ICT建機(油圧ショベル0・8立方メートル級PC200)の導入を計画しており、事前にデモ機を現場搬入して操作感覚や安全性を確認することにした。廣瀬によると、2024年春にも直轄工事でシステム導入を目指しており、工事で活用されれば北陸地方初になるという。
開会に先立ち、廣瀬の佐々木和則常務執行役員土木事業部長が「建設現場が変わっていく未来を想像できる体験会にしたい」と期待を寄せた。建設業向けデジタルソリューションシステム開発などを行うアースブレインの大場重生氏が「遠隔と自動化を組み合わせる形で現場に人がいなくても施工ができるような世界を実現し、(建設業界の)イメージを変えていく」と意欲を示した。
この日は、燕市国上地内の現場事務所内に設置されたコックピットで、オペレーター2人が7台のディスプレイに映し出される現場映像を確認しながら遠隔操作を行う様子が公開された。高画質/高視認性カメラシステム(最先端イメージセンサ使用)や低遅延システム(5G活用/最新画像圧縮・伸張技術)などにより、一つのコクピットから複数の重機を操作することができ、省人化や効率的な運用が期待されている。
体験会では廣瀬の大野歩さんが現場事務所から260キロ離れた千葉県千葉市にある「コマツIoTセンター東京」内の敷地に配置された遠隔操作システムの重機を、伊藤建設(長岡市)の布施貴寛さんが現場事務所から2キロ離れた大河津山地部掘削現場(長岡市寺泊薮田地内)にある重機を操作した。大野さんは「練習しているうちに慣れてきて操作がしやすかった」、オペレーター歴5年の布施さんは「とても運転しやすかった」と感想を述べた。