北陸地方整備局高田河川国道事務所は8日、第25回関川流域委員会を上越市内で開き、関川水系河川整備計画の変更原案について審議した。
この中で、保倉川放水路の整備事業費が今後30年間で約1300億円に上る見込みであることが明らかになった。主な内容をみると、工事費は現行の132億6700万円から571億5400万円へ大幅に増加。目標流量の引き上げに伴う拡幅で掘削土砂量増、軟弱土対策、塩水浸透対策による矢板長増などが要因だという。このほか附帯工事費や工事諸費など。
開削ルートは2021年に決定したルート案に基づき、松本地区を起点に県営ほ場と県営南部産業団地の間を通過し、夷浜地区から日本海へと注ぐ。延長は約3・0キロで、幅100〜115メートルとなる。ルート設定にあたっては、家屋移転や神社仏閣、上越火力発電所や県営南部産業団地など重要な周辺施設への影響の最小化、洪水の流れやすさを考慮し線形を直線にするといった条件を踏襲した。最終的な形状や放水路河口部の施設、保倉川本川からの分派施設、付帯施設などは今後、詳細な測量、設計、検討を行い決定する。
保倉川本川の松本地点(目標流量1700立方メートル/秒)に放水路を整備して900立方メートル/秒を分派させ、河道への配分流量を800立方メートル/秒とするもの。完成により、保倉川の治水安全度が飛躍的に向上。洪水に対し浸水面積で733ヘクタール、浸水戸数で5185戸(人口1万3287人)の氾濫被害軽減効果が期待できると試算される。
なお、関川水系河川整備計画全体での事業費は1663億4500万円。主な内訳は本工事費が682億5900万円(関川本川河道掘削253億2600万円、保倉川放水路571億5400万円)、附帯工事費212億5300万円。用地費42億8600万円、補償費39億900万円、間接経費266億7000万円、工事諸費277億4700万円となる。次回の当委員会で変更案を審議し、年度内に変更を行う予定。