一般社団法人福井県建設業協会(山本厚会長)は11日、県に対し、公共事業予算の安定的で継続的な確保などを求め、要望活動を行った。会場は、福井市宝永3丁目の県国際交流会館で。参加者は、協会から山本厚会長や森尾義治副会長ら役員約30人。一方、県側からは、杉本達治知事や田中秀樹土木部長ら幹部職員が対面し、活発に意見も交わした。
まず、山本会長が挨拶。県の、建設業に対する日ごろの指導と支援に感謝し、お礼の気持ちを表した。その上で「12月補正予算では、防災・減災、国土強靭化対策に約280億円を計上いただき感謝申し上げます。一方、地域の建設業は依然として技術者・技能者の不足や、諸物価の高騰に直面。厳しい環境が続き、諸課題の対応へ、新4Kの実現を目指した働き方改革や、ICT活用による生産性の向上を推進。それぞれの地域においては、地域企業の一員として地域を支え、地域の守り手である。今後も社会インフラの整備へ、行政と一体となり、社会的な責務を果たして参ります」と述べた。
杉本知事も挨拶。建設業の、基盤整備や維持管理、除雪も含めた、日ごろの尽力に、心から感謝を示した。その上で「県内は、いよいよ来年3月16日に北陸新幹線福井・敦賀が開業し、まちづくりもどんどん進めさせていただきます。中部縦貫自動車道も2年後には開通を目指すなど。これも皆さまのお力添えのお陰。国の国土強靭化に合わせ、県も県土の強靱化を進めたい」などと強調。引き続き、建設業の大きな役割と活躍に期待感を寄せた。
【知事要望の内容】
■公共事業予算の安定的・継続的な確保など
・令和6年度の公共事業予算について、今年度を上回る規模を。今後とも、建設産業が「地域の守り手」としての重要な役割を担っていくために、一定の地域に、一定の規模で機械力・機動力を持った建設企業が存続できるよう、地域ごとに公共事業予算を適正に配分を
■担い手の確保・育成対策および女性活躍の推進
・若者や女性の入職を一層促進するとともに、女性の活躍を推進していくためにも、ターゲットを絞った戦略的な広報活動の一層の強化や、若者、女性の定着を図るために労働環境改善などに対する支援の継続と拡充を
■低入札調査基準価格および最低制限価格の上限引き上げなど
・公共工事におけるダンピング対策と、円滑な施工確保や、品質確保のため、昨年度から一般管理費の算入率を55%から68%に引き上げていただいた。しかし、積算体系に当てはめると、低入札価格調査基準の上限値は92%で頭打ちになっているため、93%へ上限値の引上げを
■除雪体制を維持するための支援拡充
・除雪オペレーターの不足について、今年度6月補正予算で除雪体制強化支援事業を創設され、助成いただき感謝します。ただ、除雪に関しては、大雪に見舞われる年もある一方で、ほとんど降らない暖冬の年は機械の維持経費、人件費の経費が捻出できなくなる。雪の量は、年によって異なるため、機械経費や事前に確保しているオペレーターの人件費などを含めた固定経費の支援拡充を
■総合評価落札方式(地域防災力維持型)の適用拡大
・県は現在、企業および配置技術者の技術的能力を評価することにより、工事の品質確保など総合的な価値の向上が期待できる工事については、実績評価型により発注されている。しかし、施工実績を持っていない企業にとっては受注が難しいため、いつまでたっても施工実績を積むことが出来ないのが現状。地元企業の育成と、受注機会の確保を図るため、実績評価型の対象工種の見直しを進め、多くの地元企業が受注可能となる地域防災力維持型による発注拡大を