大津市企業局は、大石富川地区の水道施設整備計画策定(土木配管を含む)と、同地区配水施設統廃合及び各施設必要設備(流量計等の計装)の検討に取り掛かる。24年2月末をメドに西日本技術コンサルタント(名古屋市中区)で内容を取りまとめ、今後は、老朽化が進んでいる水道施設の更新や、施設統廃合・省エネ化によるライフサイクルコスト低減化、施設の耐震化及び水運用バランスを考慮した水道施設整備計画の基本検討を行う。
内容によると、大石富川地区の水道は、08年の富川簡易水道統合事業により、関津配水池から富川加圧を経て供給されている。簡易水道時の施設は設置後45年が経過しており、老朽化が進むなか、更新時期に差し掛かっている。そのなかで施設統廃合や省エネ化、施設の耐震化、水運用バランスを考え、関連施設の統廃合可能性について検討し、統合のための改良工事が必要と判定される施設については、整備工事に着手していく。対象となる施設は、▽富川加圧ポンプ場、▽富川街道加圧ポンプ場、▽奥加河加圧ポンプ場、▽納所加圧ポンプ場―。
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また、同局では、市内にある下水道施設の機能を維持するため下水道施設耐水化基本計画を策定する考えで、下水道施設の機能維持、水害による被害を防ぐ施設の浸水深設定、耐水化ハード対策の耐水化計画を策定。所管の下水道施設課水再生センターでは、近年の気候変動に伴う降雨量の増加、短時間豪雨の頻発が懸念されており、河川氾濫等の災害時においても一定の下水道機能を確保し、下水道施設被害による社会的影響を最小限に抑制するための措置を進めていく。その下水道施設の機能を維持するため、終末処理場、建屋ポンプ場及びマンホールポンプ場における浸水被害の想定、浸水対策を検討し、耐水化計画を策定。対象となる施設は、終末処理場(大津市由美浜)、マンホールポンプ場(計133施設)、建屋ポンプ場は、石山第1(石山寺3丁目)、大石(大石東6丁目)、田上第2(里3丁目)、下阪本第2(下阪本6丁目)、唐崎(唐崎2丁目)、南小松(南小松1387)の計6施設。
そのほかに同局では、今後の水道事業を取り巻く経営環境に対応し、安定的かつ効果的な事業運営を実現するため、今後の浄水場更新事業と運転管理業務について、民間事業者の創意工夫を最大限に発揮する官民連携が好ましい―とし、湖都大津・新水道ビジョンにおいては、32年度までに水道システムの再構築を実施していくため、浄水場の更新・廃止など、多数の大規模工事等を並行して実施し、運転管理業務を継続しつつ、実施するためには現体制の強化が必要―としている。
提供:滋賀産業新聞