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日刊建設タイムズ社
2023/12/04

【千葉】総事業費は78億円/26〜27年に救急救命棟建設/成田赤十字病院

 成田赤十字病院は、施設の老朽化・狭あい化や成田国際空港のさらなる機能強化に伴う周辺人口の増加を考慮し、敷地東側にある研修棟を解体した上で、救命救急棟を建設する方針だ。総事業費は78億4000万円。建物は4階建て、建築面積1815u、延べ床面積6885uを計画している。今後は、2024年4月から25年11月にかけて設計をまとめ、26年3月に着工する予定。27年3月の完成を目指す。
 事業費の内訳は▽救命救急棟建設工事費=60億円▽医療機器など設置費=10億円▽設備盛り替え工事費=5億円▽設計・監理業務料=2億円▽研修棟解体工事費=1億円▽初度調弁(備品関係)=4000万円。
 1階に救命救急センター(災害対応型救急室)・内視鏡検査室・血管造影室、2階に集中治療室(ICU)12床や手術室、3階に救急病棟(HCU)22床や控え室、4階に新生児センター27床を設置する計画。
 基本方針として「地域に必要・信頼・期待される赤十字病院になるための機能の強化」を掲げた。
 災害発生時に県の拠点病院としての役割を果たすため、災害対応機能を充実させるとともに、県との連携を強化する。また、印旛医療圏の中核病院として、成田市や地域の医療機関と連携し、地域循環型の医療の実現を目指す。

 施設全体老朽化で/市が支援乗り出す

 成田赤十字病院は、1948年2月に成田不動尊前で開設し、54年5月に現在地の成田市飯田町90―1に移転した。
 ICU・救急病棟(F棟)は86年の完成で、改修や修繕を実施したため耐震性を有しているが、給排水設備をはじめとする施設や設備の老朽化が著しい。また、狭あい化により体外循環による治療法、ECMOの運用、個室による感染管理が困難な状況。
 救急室について、初療室の狭あい化や救急車進入路および停車スペースの不足が問題となっている。
 そのほか、周産期母子医療センター、手術室、多数傷病者(重症者)の治療室などが狭あい化している。
 厚生労働省が全国で4か所指定する特定感染症指定医療機関となっており、三次救急など幅広い救急医療体制、災害時医療、周産期医療、がん治療といった高度医療を提供しているため、成田市としても成田赤十字病院が抱える課題を重要事項と認識している。2024〜26年度を期間とする「総合計画NARITAみらいプラン第9実施計画」では、24〜25年度の2か年で支援に係る協議を実施し、26年度に建築費などの一部支援を行う方針を示した。
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