「石川県における建設業の人材獲得の状況は今なお多難」―。北陸地方整備局金沢河川国道事務所で今月13日に開かれた「北陸建設界の担い手確保・育成推進協議会」で石川労働局が示した労働力需給状況からは人材獲得に苦労する各企業の実情が垣間見えた。
県内における今年8月の有効求人倍率は1・57倍で、全国で3番目に高い値となった。また23年春における県内新卒者の就職内定率は高校99・2%、大学98・8%、短大97・0%、高専100%、専修学校等96・2%。いずれも高い内定率を示している。
建設分野に限定して2022年度の求人倍率を職種別に見ると、「電気工事」が3・08倍、「建設」が5・95倍、「土木」が7・10倍、「建築・土木・測量技術者」が8・57倍、「建設躯体工事」が22・96倍といずれも平均よりかなり高い率を示す。これは求人の多さより希望者減少の影響と同労働局は分析する。
23年3月の県内の高校新卒者に関する建設業の求人の充足状況統計によると、求人数は製造業に次いで多い1106の求人があったのに対し充足されたのは160人。充足率は14・5%にとどまる結果となっている。
また県内の高校新卒者の就職後の産業別離職率を見ると、建設業の3年以内での離職率は32・5%。全国平均の42・2%と比べると低く抑えられており、他業種と比べても特に高い数値ではないが、それでも約3人に1人が3年以内に離職していることになる。