東北防衛局は、防衛省が推進する「自衛隊施設の最適化」(建替を伴う施設再配置、集約化、改修など)に関し、航空写真測量と地質調査を12月または1月に総合評価で公告する。設計(ECI方式)も公告するが、本県施設(陸自秋田駐屯地、空自秋田・加茂両分屯基地)はECIの対象になっていない。東北防衛局では今月28日、日本建設業連合会東北支部と宮城県建設業協会を対象とした最適化事業の説明会を仙台市内で開催しており、今後は本県や青森県でも開催する。
全国の自衛隊施設は283地区23,254棟で、約4割にあたる9,875棟が旧耐震基準時代に建設され老朽化が進んでいる。防衛省では自衛隊施設について工事の進め方などを示すマスタープランを作成するため、今年度は陸自秋田駐屯地、空自秋田・加茂両分屯基地(計102棟)を含む89基地・駐屯地で優先してプランの作成を進めている。
本県施設を含む作成業務(自衛隊施設の最適化に伴うマスタープラン作成業務その4)は、オリエンタルコンサルタンツ・綜企画設計・復建技術コンサルタント共同体が来年3月31日の履行期限で推進。自衛隊施設が持つべき防護性能の確保や、部隊運用を考慮した再配置・集約立体化、再配置等の仮設計画などについて検討を進めている。
防衛省によると、今年度に作成が完了した地区は、来年度早期に設計業務と工事の契約が目指されるとしている。
今年度に入ってから、防衛省では最適化に伴う基本方針策定業務(パシフィックコンサルタンツ・オオバ・泉創建エンジニアリング・ムラシマ事務所・松田平田設計共同体)を委託。また、自衛隊員が生活する隊舎や食堂、売店、厚生センターなどについて、一部のエリアでPPP・PFI手法の可能性を探る簡易検討調査(みずほリサーチ&テクノロジーズ)も進めている。
今後、東北防衛局から公告される業務のうち、航空写真測量では空中写真測量(数値図化)や航空レーザ測量、基準点測量、既設構造物調査を26カ月、土質調査では機械ボーリングやサウンディング試験、孔内水平載荷試験、各種土質試験を12カ月の履行期限で行う予定。設計業務(ECI、本県該当なし)では総合発注による基本設計・実施設計や積算支援業務が全国30地区程度で行われる。
本県は対象施設数が多くないため、契約形態は「設計付工事発注」などが検討される。同手法はゼネコン設計部門またはゼネコンとJVを組む建設コンサルタントが設計し、価格交渉で工事契約するもの。公募型プロポーザルで設計を随契し、設計完了後の価格交渉や見積り合わせを経て工事契約する。価格交渉が不成立となった場合は設計業務の次点者を優先交渉権者とし、価格交渉して補備設計(修正設計)を行う。
提供:
秋田建設工業新聞社