横浜市都市整備局は、2025年度上半期の都市計画マスタープラン改定に合わせて、土地利用方針を策定する。現段階では、業務、商業機能や研究開発施設を誘致するため、容積率を緩和することなどを想定。本年度は、調査業務をアルテップ(東京都港区)に委託し、市がこれまでに示した方針をさらに具体化するとともに、他都市の制度を横浜市で導入することが可能かを検討する。履行期限は24年2月22日。
次期都市計画マスタープランでは、都市づくりのテーマとして「経済」「暮らし」「にぎわい」「環境」「安全安心」の五つを設定。これらの実現に当たって、土地利用制度の戦略的な活用を行うことを示した。
テーマごとに土地利用の方針を見ると、経済では、研究開発施設や海外研究者が滞在する施設の整備が見込まれる工業系用途地域で、より高い容積率の適用や用途規制の見直しを検討。また、大学が立地する土地の制限を緩和することで、校舎の建て替えなどの投資を促す方向だ。
暮らしでは、都心機能を強化するため、居住施設の立地を誘導する。下層部に誘導用途や屋外空間を設けることで、現行より住宅容積率をさらに緩和することを検討している。郊外部でも利便性の高い主要駅周辺への居住を誘導することを見込む。
にぎわいでは、都心部にある商業地域の指定容積率の緩和を図る他、歴史的建築物が立つなど観光客の増加が見込まれる地域で、宿泊施設の容積率を見直す。
環境では、交通インフラが整う市街化調整区域を市街化区域に編入して活性化を図る一方、農地として保全するエリアでは支援を強化し、メリハリのある土地利用を行う。
安全安心では、立地適正化計画の策定により、土砂災害特別警戒区域などへの住宅の建設を制限することを検討する。
これら市が現在検討している制度の他に、適用できそうな土地利用の手法があれば、積極的に採用する方針だ。
提供:建通新聞社